波爾布神社

波爾布神社の紹介

波爾布神社（はにふじんじゃ）は滋賀県高島市新旭町饗庭に位置する歴史ある神社です。この神社は、一般に土生（はぶ）大明神または土生さんとも呼ばれています。波爾布神社は、地元の人々にとって重要な信仰の場であるだけでなく、地域の文化や歴史を感じさせるスポットでもあります。

祭神

波爾布神社には2つの祭神が奉納されています。1つは「波爾山比賣命」、もう1つは「彌都波能賣神」です。これらの神々は、地元の人々の生活や精神文化に深く関わっています。

神紋

神社のシンボルである神紋は、千成瓢箪（せんなりひょうたん）です。この紋は、豊穣や繁栄の象徴とされており、参拝者にとって特別な意味を持っています。

歴史

波爾布神社の創祀年代は明確ではありませんが、社伝によれば、古くから彌都波乃賣命が祀られていたとされています。そして、天平13年には、阿波国那賀郡にある建嶋女祖命神社から波爾山比賣命が勧請されることとなりました。この神社は延喜式神名帳にも記載されている式内社であり、地域の惣社としての役割も果たしています。

歴史的には、応永の時代に作成された検注帳には、免田など約1町の土地が社領として記載されています。しかし、明治時代の廃仏毀釈により、多くの社宝が失われてしまいました。そのため、当時廃棄された物のリストは、「田谷家文書」として記録され、後に『高嶋郡誌』や『神道大系 近江国』に収められています。現在では旧郷社として親しまれています。

祭事

この神社では、様々な祭事が行われています。特に重要なものには以下があります：

• - 祈年祭（3月10日）
• - 例祭（4月20日）

例祭は明治までは二月初丑日に行われていました。社伝によると、坂田郡入江村に鎮座する筑摩神社のご神体が琵琶湖の増水で流され、木津浜に漂着したため、この神社から湖上を渡る献饌行事が行われていたとのことですが、その行事は湖上が荒れることから廃止され、代わりに筑摩田という神田が設けられました。ここで作られた米が「筑摩御饌」と呼ばれ、神輿渡御の際に献饌されることになりました。

祭礼は、現在では健速神社、大國主神社、若宮八幡社の社家によって執り行われますが、場合によっては日吉二宮神社や森神社の神職も関与することがあります。また、新嘗祭は11月23日に行われています。

境内社

波爾布神社の境内には、以下のような境内社があります：

• - 熊野神社 - 祭神：熊野久須比命（式内社）
• - 邇岐志神社 - 祭神：大山祇命・邇々藝尊

周辺の施設

神社周辺には、木津港跡や新旭水鳥センター、健速神社、木津古代製鉄遺跡、NPO法人クマノヤマネット、若宮八幡社、大國主神社等の観光スポットが点在し、訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。

波爾布神社は、地域の歴史や文化を知る上で非常に重要な場所であり、多くの人々に愛される神社として、今後もその役割が続いていくことでしょう。

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