泰寧寺 (石岡市)

泰寧寺について

泰寧寺（たいねいじ）は、茨城県石岡市根小屋に位置する曹洞宗の寺院です。この寺院は、歴史的にも重要で、多くの文化財を有しています。ここでは、泰寧寺の歴史、特徴、そして特筆すべき史跡について詳しく探っていきます。

歴史的背景

泰寧寺は、永正6年（1509年）に佐竹氏の一族である石塚氏によって創設されました。開基となるのは石塚城主・佐竹大膳亮義高で、開山は天海舜政とされています。当初、この寺は常陸国茨城郡の石塚に建立されましたが、天正年間（1573年-1592年）もしくは文禄4年（1595年）には、石塚氏が片野城へ転封されることになり、その際に泰寧寺も現在の位置に移されました。

その後、慶長7年（1602年）には佐竹氏が出羽国秋田に転封され、石塚氏もまた片野城を去ります。しかし、泰寧寺は根小屋村にとどまり、片野藩主として新たに迎えられた滝川氏が菩提寺として引き継ぎました。元禄10年（1697年）までの間、滝川氏の初代から3代にわたり、泰寧寺に葬られることがありました。

明和4年（1767年）には、明和事件で処刑された山県大弐の墓が滝川家の墓所近くに建立されました。この墓の経緯については後述します。寛政2年（1790年）には、滝川家の当主である滝川利済が、水害により失われた滝川雄利の墓碑の代わりに石碑を建立し、泰寧寺に供養を依頼しました。これらの歴史は、泰寧寺が地域において重要な役割を果たしてきたことを示しています。

さらに、嘉永2年（1849年）には火災が発生し、多くの堂宇が焼失しましたが、安政4年（1857年）には再建されました。これにより、今でも寺院は地域の人々に親しまれています。

史跡と文化財

泰寧寺には、特に有名な史跡があります。それが山県大弐の墓です。これは、茨城県指定史跡として昭和10年（1935年）に指定されました。山県大弐は江戸時代中期の尊王家であり、その墓は本堂の裏手にある墓地の高い場所に配置されています。

山県大弐の墓は、他にも山梨県甲斐市の山県神社や東京都の全勝寺にも存在するものの、泰寧寺にある墓は特に伝承が残っています。この伝承によれば、根小屋村出身の門人である薗部文之進が、刑場で処刑された大弐の首を持ち帰って埋葬したとされています。

墓が建立された時期については、明和年間に成立したという説や、明治時代になってから薗部家の自宅から掘り起こされた首を改葬したという説が存在しますが、地元の行政機関は後者の説に従っています。このように、山県大弐の墓は地域の歴史と文化を深く理解するための貴重な資料といえるでしょう。

結論

泰寧寺は、豊かな歴史を持つ曹洞宗の寺院であり、地域の文化や信仰の象徴と言えます。その長い歴史、特に山県大弐の墓が持つ意味は多くの人々にとって重要であり、訪れる価値が十分にあります。島々で成立した寺院は、地域に根ざし続けているのです。

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