洞院公尹

洞院公尹（とういん きんただ）は、鎌倉時代中期の公卿であり、左大臣を務めた洞院実雄の四男として生まれました。

出自から見ると、母が白拍子であったにもかかわらず、公尹は権中納言にまで昇進しました。この事実は、当時の洞院家が外戚としていかに強大な権勢を誇っていたかを物語っています。叙爵から薨去までの期間は約30年と比較的短く、若くして亡くなったと考えられています。

以下に、彼の経歴を『公卿補任』と『尊卑分脈』に基づいて詳細に記述します。

文永5年（1268年）1月7日、叙爵。
文永6年（1269年）4月10日、従五位上に昇叙。
文永8年（1271年）1月5日、正五位下に昇叙。
文永9年（1272年）12月20日、侍従に任ぜられる。
文永10年（1273年）11月20日、父の喪が明け、復任。
文永11年（1274年）9月10日、左少将に任ぜられる。
文永12年（1275年）1月14日、下野権介を兼任。
建治2年（1276年）1月5日、従四位下に昇叙。同月7日、少将は元の如し。
弘安3年（1280年）1月5日、従四位上に昇叙。
弘安6年（1283年）4月5日、正四位下に昇叙。
弘安7年（1284年）1月13日、左中将に転任。
正応元年（1288年）11月8日、参議に任ぜられる。左中将は元の如し。同月10日、備中権守を兼任。同月21日、従三位に叙せられる。
正応3年（1290年）12月8日、正三位に昇叙。同月25日、権中納言に任ぜられる。
正応5年（1292年）7月28日、従二位に昇叙。
永仁元年（1293年）12月13日、権中納言を辞退。
永仁2年（1294年）1月6日、正二位に昇叙。
正安元年（1299年）12月10日、薨去。

このように、洞院公尹は着実に昇進を重ね、最終的には正二位・権中納言という高い地位にまで至りました。彼の昇進は、洞院家の勢力と、彼自身の才能によるものと考えられます。

参考文献

『公卿補任』（新訂増補国史大系）吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会（編） ※ 正応元年（1288年）に公尹が参議となった時以降の記事。
* 『尊卑分脈』（新訂増補国史大系）吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編集会（編） ※「洞院公尹」および「洞院実雄」の項。

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