津村常吉

津村常吉七段：攻撃的な棋風と長く続いた棋士人生

津村常吉（つむらつねよし）は、1923年7月28日生まれ、1993年11月3日に亡くなった、将棋棋士です。七段の称号を持ち、棋士番号は59番。神奈川県横浜市出身で、小堀清一九段に師事しました。

彼の将棋人生は、20代後半からのアマチュア時代を経て始まりました。1949年、アマ名人戦神奈川県代表の座を獲得、翌1950年には二段で小堀清一門下に入門します。そして1952年1月1日、四段としてプロ棋士の道を歩み始めます。

プロ入り後、津村の棋士人生は順風満帆とは言い難かったようです。順位戦では、第9期（1954年度）C級2組で9勝3敗という好成績を収め、C級1組へ昇級。同時に五段に昇段を果たしますが、これが彼の現役時代における最初で最後の昇段となりました。31歳での昇段は、決して遅いわけではありませんが、その後は昇段が叶わず、長く五段のままでした。

しかし、彼の将棋界への貢献は、棋士としての成績だけではありません。日本将棋連盟では、販売部や道場師範として尽力し、組織運営にも大きく貢献したことが記録されています。

棋風は、居飛車党として知られ、相掛かり、角換わり、そして陽動振り飛車など、多彩な戦法を駆使しました。持ち味は積極的な攻撃で、攻めが成功すれば快勝する一方、守勢に回ると脆さを露呈することがあったようです。まさに攻め上がりの将棋を好む棋風と言えるでしょう。

引退間際の1970年、47歳という年齢で第1回新人王戦に出場。準決勝まで勝ち進む健闘を見せ、年齢を感じさせない活躍で周囲を驚かせました。これは、長年の棋力と経験が凝縮された、彼の将棋人生の輝かしい成果の一つと言えるでしょう。

1970年の引退後も、将棋界との関わりは続き、1973年には「表彰感謝の日」の表彰により贈六段の称号を授かり、1993年11月5日には、死去後追贈七段となり、その棋士人生は長く記憶されることとなりました。

1993年11月3日、心筋梗塞のため、70歳でこの世を去りました。彼の積極的な攻撃と、将棋界への貢献は、後世の棋士たちに長く語り継がれることでしょう。

主な成績として、第1回新人王戦ベスト4（1970年）が挙げられます。

津村常吉七段の棋士人生は、華々しい活躍だけがすべてではないことを示しています。地道な努力と、将棋界への貢献、そして持ち前の攻撃的な棋風は、彼を多くの将棋ファンにとって忘れられない棋士にしています。彼の功績は、これからも将棋界の歴史に刻まれていくでしょう。

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