津田増次郎

津田増次郎（つだ ますじろう）は、明治から昭和にかけての日本の軍人です。明治10年（1877年）2月11日に、現在の高知県香南市に位置する香美郡赤岡村で生を受けました。その生涯は、大日本帝国陸軍の将校としての道を歩み、最終的に陸軍少将の階級に達しました。

郷里の教育機関である高知県尋常中学海南学校（現在の高知県立高知小津高等学校）で学びを深めた後、軍人を志し、陸軍士官学校へと進みました。明治30年（1897年）に同校を第9期生として卒業し、晴れて大日本帝国陸軍に入隊します。以来、歩兵科の将校としてキャリアを積み重ねていきました。

軍歴を重ねる中で、津田増次郎は様々な要職を経験しました。大正7年（1918年）7月には、水戸連隊区司令官という重要なポストに就任します。さらに昇進を続け、大正9年（1920年）8月には陸軍歩兵大佐に進級しました。そして大正11年（1922年）2月には、部隊の指揮官として重要な役割を担う歩兵第19連隊の連隊長に着任しました。

順調に軍での階級を上げ、大正13年（1924年）12月15日には陸軍少将への昇進を果たしました。これは軍人にとって栄誉ある到達点の一つですが、昇進と同時に待命の辞令を受けます。そしてわずか5日後の同年12月20日には予備役に編入され、長年にわたる現役の軍務から退くこととなりました。軍人としての功績としては、功四級を授与されています。

軍を離れた後も、津田は郷里や社会との関わりを持ち続けました。特に、軍隊経験者たちの組織である在郷軍人会では会長を務め、また帝国在郷軍人会の高知支部で顧問として活動し、その豊富な知識と経験を地域社会のために活かしました。さらに、地方政治にも関心を寄せ、高知市議会議員としても活動し、郷里の発展に貢献しました。

昭和の時代に入り、第二次世界大戦後の混乱期である昭和22年（1947年）11月28日には、公職追放の仮指定を受けることになります。これは、過去の軍歴や社会活動が理由とされる措置でした。一方で、国の栄典も受けており、昭和15年（1940年）8月15日には、紀元二千六百年祝典記念章を授与されています。昭和26年（1951年）11月24日に、74歳でその生涯を終えました。

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