津田正路

津田正路（つだ まさみち）は、生年は不明ながら、文久3年8月9日（1863年9月21日）に没した幕末の幕臣（旗本）です。通称は半三郎、官名は近江守でした。

安政3年（1856年）2月に目付に任ぜられ、幕府内での地位を確立します。同年10月には外国貿易取調掛に任命され、海外との貿易に関する調査・対応を担当しました。翌安政4年（1857年）には、アメリカとの通商条約締結の方針を朝廷に伝えるための使者として、林復斎とともに上京しています。この頃から、幕府の外交政策において重要な役割を担うようになります。

安政5年（1858年）6月には、露使節応接掛を拝命し、ロシアとの交渉を担当します。そして、翌7月には日露修好通商条約を締結するという大きな功績を挙げました。同年10月11日には箱館奉行に転任し、北方における幕府の行政を担いました。万延元年（1860年）12月には外国奉行を兼帯することとなり、再び外交の舞台に立ち、米使節との交渉に臨んでいます。この時期、開国をめぐる内外の圧力が高まる中、津田は難しい舵取りを迫られました。

文久2年（1862年）7月、箱館奉行を免じられ、中央に戻ります。閏8月には外国奉行から勘定奉行に転任し、幕府の財政を預かることとなりました。文久3年（1863年）7月には大[[目付]]に就任しますが、その翌月、志半ばで亡くなりました。

津田正路は、幕末の激動期において、外交と財政の両面で幕府を支えた人物として評価されています。特に、日露修好通商条約の締結や米使節との交渉など、困難な外交交渉に尽力したことは、彼の大きな功績と言えるでしょう。

参考文献

全国版幕末維新人物事典（歴史群像編集部編、学研）

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