津谷典子

津谷典子（つや のりこ）

人物

津谷典子氏は、1954年生まれの日本の人口学者です。慶應義塾大学経済研究所の元所長であり、カリフォルニア工科大学の客員教授も務めた経験があります。その研究業績は高く評価されており、日本人口学会賞を受賞しています。また、ブリヂストンの会長兼CEOである津谷正明氏を夫に持つことでも知られています。

経歴

三重県出身の津谷氏は、1977年に南山大学外国語学部英米科を卒業後、研究者の道に進みます。1986年にはシカゴ大学大学院で博士号（Ph.D.）を取得しました。シカゴ大学留学中に、夫となる津谷正明氏と出会っています。

東西センター人口研究所のリサーチ・フェローを経て、1989年に日本大学人口研究所の助教授に就任。その後、1993年に日本大学経済学部の助教授、1998年には慶應義塾大学経済学部の教授へとキャリアを重ねました。2001年にはカリフォルニア工科大学の客員教授を務め、国際的な研究活動も展開しています。

2018年からは日本人口学会の会長を務め、2019年には総務省統計委員会の委員にも任命されました。慶應義塾大学経済研究所所長を経て、2020年に慶應義塾大学を定年退職。現在は慶應義塾大学大学共通（三田）教授（有期）として、後進の指導にあたっています。

研究業績

津谷氏の専門は人口学であり、特に人口変動、少子高齢化、家族に関する研究で知られています。

著書『Prudence and Pressure: Reproduction and Human Agency in Europe and Asia, 1700-1900』は、その代表的な業績の一つです。この著書で、第13回（2012年）日本人口学会賞と2014年の義塾賞を受賞しています。

その他、多数の著書や論文を発表しており、日本の人口問題に関する第一人者として、国内外から高い評価を得ています。元日本学術会議会員、国土交通省国土審議会委員、内閣府統計委員会委員も務め、政策提言にも積極的に関与しています。

主な著書

『なぜ日本人口は減少するのか : 平成14年将来人口推計の意味』（慶應義塾経済学会、2003年）
『長期的視点による人口変動とその構造的要因』（慶應義塾大学、2004年）
『人口減少時代の日本社会』（阿藤誠と共編著、原書房、2007年）
『人口減少と日本経済 : 労働・年金・医療制度のゆくえ』（樋口美雄と共編、日本経済新聞出版社、2009年）
『Prudence and pressure : reproduction and human agency in Europe and Asia, 1700-1900』（マサチューセッツ工科大学出版局、2010年）
『少子化時代の家族変容 : パートナーシップと出生行動』（阿藤誠, 西岡八郎, 福田亘孝と共編、東京大学出版会、2011年）
『少子高齢時代の女性と家族 : パネルデータから分かる日本のジェンダーと親子関係の変容』（阿藤誠, 西岡八郎, 福田亘孝と共編著、慶應義塾大学出版会、2018年）
『人口変動と家族の実証分析』（菅桂太, 四方理人, 吉田千鶴と共編著、慶應義塾大学出版会、2020年）

まとめ

津谷典子氏は、日本の人口学研究を牽引する重要な人物です。その研究は、少子高齢化が進む日本社会において、今後の政策を考える上で重要な示唆を与えています。学術界だけでなく、政策決定の場でも活躍しており、今後の動向が注目されます。

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