津軽富士見湖

津軽富士見湖（廻堰大溜池）

青森県北津軽郡鶴田町に位置する津軽富士見湖は、別名「廻堰大溜池」とも呼ばれる人造湖です。その名の通り、湖畔からは秀麗な岩木山（津軽富士）の美しい姿を一望でき、古くから地域の人々に親しまれてきました。岩木山を水源とする自然流水を貯めるこの湖は、青森県内最大級の規模を誇ります。

概要

正式名称：廻堰大溜池
愛称：津軽富士見湖
所在地：青森県北津軽郡鶴田町
貯水量：1425万6000立方メートル
満水時の面積：281ヘクタール
堤長：4.2キロメートル（日本最大）

この巨大な貯水池は、春の増水期には貯水量が1400万立方メートルにも達し、水深は約7メートル、満水面積は281ヘクタールに及びます。特に目を引くのは、その堤の長さ。4.2キロメートルという日本一の長さを誇ります。

2010年（平成22年）には、農林水産省の「ため池百選」にも選定され、その価値が認められました。

歴史

津軽富士見湖の歴史は古く、1660年（万治3年）に津軽藩主・津軽信政によって、西津軽地方の新田開墾のための灌漑用水源として築造されました。

その後、1943年（昭和18年）から1969年（昭和44年）にかけて行われた国営西津軽一期農業水利事業によって、かさ上げや改修工事が施され、その機能が強化されました。

さらに、1989年（平成元年）度から1994年（平成6年）度にかけては、県営つがる富士見地区農業水利施設高度利用事業によって、「鶴の舞橋」などの周辺施設が整備され、観光地としての魅力も高められました。

1994年（平成6年）7月には、ついに「鶴の舞橋」が開通し、現在に至ります。

周辺の見どころ

津軽富士見湖の周辺は鳥獣保護区に指定されており、白鳥やガン、カモなどの渡り鳥が越冬のために飛来します。かつてはタンチョウヅルも飛来していたと言われています。

湖畔には津軽富士見温泉があり、温泉に浸かりながら、町で飼育されている丹頂鶴を眺めることができます。

そして、何と言っても一番の見どころは、湖に架かる「鶴の舞橋」でしょう。樹齢150年以上の青森ヒバを使用した、全長300メートルの日本一長い木造アーチ橋です。3連の木造太鼓橋で、アーチの中間2箇所には高床式の休憩所が設けられています。

「鶴が舞うごとくに美しい」という願いが込められたこの橋は、休憩所を鶴の胴体に見立てると、アーチ状の橋梁部が鶴が羽を左右に広げているようにも見えます。

毎年、つるた祭り開催時には、全国へら鮒つり大会が開催され、全国各地から釣り人が集まります。

イベント

5月5日には「富士見湖一周マラソン」が開催されます。

8月16日には、つるたまつりのイベントとして「富士見湖花火大会」も開催され、夏の夜空を彩ります。

アクセス

青森県道200号米山菖蒲川線沿いに位置しています。

公共交通機関を利用する場合、2018年9月30日をもって弘南バス「五所川原～鶴田線（廻堰経由）」が廃止されたため、陸奥鶴田駅または五所川原駅からはタクシーをご利用ください。

津軽富士見湖は、豊かな自然と歴史、そして美しい景観が調和した魅力的な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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