津野常

津野 常（つの じょう）

津野常は1848年7月12日に日向国で生を受け、1902年7月18日にこの世を去った日本の実業家および政治家です。彼は幕末の高鍋藩士として多くの歴史的な出来事に関与し、その後の明治期においても重要な役割を果たしました。特に衆議院議員や宮崎県会議長として、県の政治や経済に大きな影響を与えました。

経歴

津野常は高鍋町に先祖を持ち、幼少期から漢学を専攻し、武道においても剣術や柔術の高名な修練を受けました。彼は高鍋藩166年の歴史の中でも特に微妙な時期に生まれ、維新後の変革に直面しました。明倫堂での教育を受けた後、彼は美々津県の英式楽隊で教鞭を取り、高鍋藩の楽隊長としての役割を果たしました。このような流れの中で、彼は高鍋藩の民政局に勤務することになります。

廃藩置県が進む中、彼は美々津県や宮崎県、さらには鹿児島県においても公務を担当しました。1881年には鹿児島県の県会議員に選出され、分県運動に参加しました。その後、1883年には宮崎県会議員に選出され、常置委員、副議長、議長を歴任することとなります。彼の活動は自由民権運動の中でも特段のものであり、大同団結運動の推進にも携わりました。

実業界でも津野常は優れた才能を発揮し、様々な役職を歴任しました。宮崎県農工銀行の監査役や宮崎新報の社長、高鍋蚕業改良会社の社長、高鍋製糸の取締役など、彼は経済界でも名声を博しました。これらの経験は彼を政治における実力者へと導く要因ともなりました。

1898年には第5回衆議院議員総選挙で無所属として当選し、さらに次の第6回総選挙でも再選され、彼は衆議院議員として2期連続で在任することとなります。しかしながら、その議員としてのキャリアは1902年に彼が逝去するまで続きました。この間、彼は宮崎県における様々な改革や政策の実現に尽力しました。

国政選挙歴

津野常の国政選挙に関する主な経歴は次の通りです:

• - 第2回衆議院議員総選挙（宮崎県第1区、1892年2月、自由党）次点落選
• - 第5回衆議院議員総選挙（宮崎県第1区、1898年3月、無所属）当選
• - 第6回衆議院議員総選挙（宮崎県第1区、1898年8月、憲政党）当選

彼は数々の選挙で活躍し、政治の舞台での存在感を増していったのです。津野常の功績は宮崎県及び日本の歴史において忘れられることなく、多くの人々に影響を与え続けています。

参考文献

• - 山崎謙編『衆議院議員列伝』衆議院議員列伝発行所、1901年。
• - 『衆議院議員総選挙一覧 上巻』衆議院事務局、1915年。
• - 宮崎県政外史編纂委員会編『宮崎県政外史』宮崎県政外史刊行会、1967年。
• - 『激動の日本政治史 - 明治・大正・昭和歴代国会議員史録（下巻）』阿坂書房、1979年。
• - 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

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