流氷ノロッコ号

流氷ノロッコ号

流氷ノロッコ号は、北海道旅客鉄道（JR北海道）がかつて釧網線の網走駅から知床斜里駅間で運行していた特別なトロッコ列車です。この列車は特に厳冬期に運行され、オホーツク海に迫る壮大な流氷を展望しながら旅を楽しむ観光列車として知られていました。この列車の運行は、流氷観光期の1月下旬から3月上旬に限られ、通常よりも遅い速度で運行されることで、乗客に「しばれ体験」というユニークな体験を提供していました。

概要

流氷ノロッコ号は、流氷見学と厳しい寒さを体験するために設計された列車です。当初は「しばれ体験」に重点を置き、一部の車両には暖房や窓がなく、毛布が提供されていました。名前の由来は、速度が遅い（のろい）こととトロッコを組み合わせた造語です。運行初期は週末や祝日を中心に設定されていましたが、2015年の秋には老朽化した機関車の影響で運行停止が報じられました。しかし地元の観光への影響を懸念する声もあり、2016年2月に一旦終了した後、2017年に流氷物語号へと形を変えて再始動しました。

沿革

流氷ノロッコ号は1990年に運行を開始しました。最初の運行は2月10日から3月25日までの9日間で、スハフ42形客車や貨車を使用していました。その後1998年には旧型車両の運行を終了し、1999年からは新型車両への移行が行われ、列車名も流氷ノロッコ号へと変更されました。2016年には一度運行が終了しましたが、その後流氷物語号として新たな形で運行が再開されました。この新たな観光列車は、JR北海道と地域の協力により運行が行われ、今では知らない人はいない冬の観光名物となっています。

運行概況

流氷ノロッコ号は、例年1月下旬から3月上旬にかけて1日2往復で運行されていました。停車駅は網走駅から桂台駅、鱒浦駅を経て、知床斜里駅というルートです。この間、乗客は様々な景色を楽しむことができます。

使用車両とサービス

流氷ノロッコ号では、50系客車を改装した車両が使用されており、車内にはダルマストーブが設けられ、乗客は焼きスルメを楽しむこともできました。売店では地元の弁当や土産も販売されており、観光ボランティアによる案内も行われました。特に、展望車両には大きな窓からオホーツク海の景色を楽しむための専用のベンチ席が設けられていました。

その他の臨時列車

流氷ノロッコ号の運行と並行して過去には、原生花園ノロッコ号やSLオホーツク号など他の臨時列車も同エリアで運行されていました。これらの列車は春から夏にかけて、流氷とは異なる季節の魅力を提供していました。

まとめ

流氷ノロッコ号は、流氷を間近に見ることができる冬の観光列車として多くの人々に愛されていました。運行終了後も、その名は流氷物語号として受け継がれ、地域の冬の観光を支え続けています。絵画のような冬の自然を楽しむ体験は、今も多くの旅行者に感動を与えています。

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