浄妙寺 (鎌倉市)

浄妙寺について

浄妙寺（じょうみょうじ）は、神奈川県鎌倉市の浄明寺に位置する重要な仏教寺院で、臨済宗建長寺派に属しています。正式名称は稲荷山浄妙広利禅寺（とうかさん じょうみょうこうりぜんじ）であり、その本尊は釈迦如来です。この寺院は足利義兼の創立によって1188年に開かれ、退耕行勇が初代住持となりました。鎌倉五山の第5位としても知られ、鎌倉三十三観音の第9番目の寺院とされています。

概要

浄妙寺は鎌倉市の東部、金沢街道沿いに位置しています。境内は見晴らしの良い谷の中央にあり、森の中に隠れるように佇んでいます。境内の景観は特に美しく、西側には杉本寺が、東側には胡桃ヶ谷が広がり、南側には衣張山が見えます。かつて浄妙寺は23の塔頭を擁する広大な土地を持っていましたが、現在でもその名は周辺の地名に残っています。特に、婦人病の神とされる淡島明神の立像が安置されているため、婦人病の祈願所としても訪れる人々に親しまれています。

歴史

浄妙寺は1188年に創建されました。当初は極楽寺という密教の寺院でしたが、後に月峯了然が住職となり、禅に改宗されました。その際、足利貞氏の法名を受けて浄妙寺に改称されたとされています。

• - 文治4年（1188年）: 極楽寺として創建。開基は足利義兼.
• - 建久9年（1198年）: 開基が秘蔵していた弘法大師筆の作品が寺門に安置される。
• - 建暦2年（1212年）: 源実朝が寺の造営を指示し、重要な仏像を安置。
• - 正嘉元年（1257年）: 月峯了然が住持となり、禅宗に改造し浄妙寺と呼ばれるようになる。

その後、浄妙寺は多くの火災に見舞われながらも、数世紀にわたり繁栄を続けました。しかし、特に応永31年（1424年）や永享10年（1438年）に火災が発生し、寺院は衰退してしまいます。

最近では、境内に隣接する石窯ガーデンテラスというレストランがイングリッシュガーデンを備え、訪れる人々に癒しの空間を提供しています。境内には様々な植物が育成され、梅やつばき、紅葉など四季折々の美しさを楽しめます。

文化財

浄妙寺は数々の文化財を有しており、特に重要文化財として認定されている木造退耕禅師坐像や、国指定史跡の浄妙寺境内があります。これらの文化財は鎌倉時代の貴重な資料であり、寺院の歴史を物語るものです。

また、境内には足利貞氏の墓と伝えられる宝篋印塔や、婦人病に霊験がある淡島大明神像なども安置されています。これらの仏像や歴史的遺物は、今でも多くの参拝者を惹きつけています。

アクセス

浄妙寺は鎌倉市浄明寺3丁目8番31号に位置し、鎌倉駅から京急バスに乗り「浄明寺」で下車します。徒歩で数分の距離です。拝観は有料で、仏像の拝観には事前の予約が必要です。

浄妙寺は歴史、文化、自然が融合した寺院であり、鎌倉の中でも特に訪れる価値のある場所の一つです。

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