スコリア丘

スコリア丘は、玄武岩質から安山岩質のマグマによる噴火活動によって形成される、比較的小規模な火山です。この火山は、マグマが地表に噴出し、冷却されて固まった多孔質の岩塊であるスコリア（岩滓）が、火口の周囲に降り積もることで形成されます。積み重なったスコリアは、特徴的な円錐台形の地形を作り出します。スコリア丘は「噴石丘」とも呼ばれます。

スコリア丘の形成

スコリア丘を形成する火山活動は、主に玄武岩や安山岩質のマグマによって引き起こされます。ほとんどの場合、一度の噴火活動で形成される単成火山であり、規模は比較的小さいです。スコリア丘は、複成火山の側火山や、独立した単成火山群の一部として形成されることが多いですが、まれに単独で存在することもあります。また、複成火山の山頂火口内で短期間の噴火によって形成され、その後の噴火や陥没によって速やかに消滅するケースもあります。例えば、伊豆大島の三原山にある三原新山がその一例です。

スコリア丘の形状変化

スコリア丘の形成中に大量のマグマが溶岩として噴出すると、スコリア丘の形状に変化が生じることがあります。多孔質のスコリアが堆積したスコリア丘は、内部に空洞が多く存在します。そのため、溶岩の密度がスコリア丘よりも高い場合、溶岩はスコリア丘と基盤の間から染み出すように流れ出ることがあります。この際、溶岩流は上に乗っているスコリア丘を破壊しながら流下し、スコリア丘は馬蹄形（U字型）の形状へと変化します。溶岩流の上にはスコリアの残骸が残ることがあり、これはスコリアラフトと呼ばれます。

スコリア丘の形状は、形成される期間によっても異なります。短期間で形成されたスコリア丘は、溶結して鏡餅のような形状になったり、不規則な形をしていることが多いです（数時間以内に形成されたものに限ります）。一方、数ヶ月単位の長期間にわたって形成されたスコリア丘は、活動中にスコリアが均等に飛散・堆積するため、不規則な形状が均される傾向があります。しかし、流動性のない岩塊が積み上がって形成されるため、非常に安定した斜角（安息角）を保ち、成層火山のような裾野の広がりは見られず、円錐台形に近い形状となります。この形状こそが、スコリア丘が「cone」と呼ばれる所以です。小笠原諸島の西之島で2013年以降成長を続けているスコリア丘は、噴火の推移に伴って山体の成長と崩壊を繰り返しており、その様子を観察することができます。

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