浅川 (長野市)

長野市浅川地区の総合解説

概要

浅川（あさかわ）は、長野県長野市北部に位置する地域です。この地域は、狭義には浅川一〜五丁目を指しますが、広義には旧浅川村の範囲、すなわち現在の長野市役所浅川支所管轄区域を意味します。

この解説では、現在の浅川地域だけでなく、かつてこの地に存在した上水内郡浅川村についても触れ、その歴史的背景と変遷を明らかにします。

地名の由来

浅川の地名は、地域を流れる浅川に由来します。また、古くから「柳原荘朝川原」と呼ばれていたことや、現在も残る朝川原神社がその名の由来となっています。

人口動態

浅川地域の人口と世帯数は、令和5年3月1日時点で2,780世帯、6,404人です。人口は、戦後の都市からの疎開や団地造成などにより大きく変動してきました。特に1964年の浅川団地造成以降、人口は急増しましたが、1985年頃をピークに減少傾向にあります。

以下に、浅川地域の人口推移を示します。

地理

浅川地域は、三登山、飯縄山、地附山などの山々に囲まれた地形です。飯縄山麓から発する浅川が地域を南西に流れ、西部には長野県道37号長野信濃線、東部には長野県道506号戸隠高原浅川線が通っています。

東部は住宅地として発展していますが、山際に位置するため商業施設は少なく、長閑な風景が広がっています。西部は飯綱高原の入口にあたり、リゾート開発が進んでいます。

歴史

旧浅川村の歴史

江戸時代、浅川地域は松代藩の領地でした。10の村が「浅河原掛り拾ヵ村」を結成し、浅川の水利について調整を行っていました。

1753年には、真光寺村で浅川油田が文献に初出。1871年には、日本初の石油会社「長野石炭油会社」が設立されました。

1889年、市町村制施行により、北郷村、伺去真光寺村、西条村、東条村の一部が合併し、上水内郡浅川村が誕生。1954年には、長野市に編入合併されました。

主な出来事

1871年：日本初の石油会社「長野石炭油会社」設立
1889年：上水内郡浅川村が成立
1939年：論電ヶ谷池の決壊で浅川村内も被害
1954年：長野市に編入

長野市浅川の歴史

長野市編入後、浅川地域は住宅地として発展しました。1969年に浅川小学校北郷分校、1970年に畑山分室、1971年に門沢分室が閉鎖。1973年には浅川油田の商業利用が終了しました。

1974年の町名整理で、大字北郷、伺去真光寺、浅川西条、浅川東条が分割され、現在の町名が発足しました。長野オリンピック開催にあわせ、1998年には浅川ループラインが開通。中曽根にはボブスレー・リュージュ会場「スパイラル」が建設されました。

主な出来事

1974年：町名整理により現在の町名が発足
1998年：長野オリンピック開催、浅川ループライン開通
2017年：長野県営浅川ダム運用開始

各地区の詳細

浅川

浅川地域南東部に位置し、浅川一〜五丁目があります。浅川団地として造成された住宅街が広がっており、中央部には商店、北東部には県営浅川団地があります。

浅川一ノ瀬

浅川地域中部に位置し、現在は無人地帯です。浅川ダムがあり、浅川ループラインが通過しています。

浅川押田

浅川地域南東部に位置し、長野県道37号長野信濃線が通過しています。鎌倉時代には押田郷と呼ばれていた場所で、現在は宅地と山林が混在しています。

浅川清水

浅川地域中部に位置する中山間地の集落です。長野市霊園があります。

浅川西条

浅川地域南東部に位置し、西条団地や浅川住宅地が広がっています。南部は住宅街、北部は大半が山林です。

浅川西平

浅川地域中部に位置する山間地で、集落は南端にあります。北部は大半が山林です。

浅川畑山

浅川地域中部に位置する山間地で、大半は山林です。集落は他地区よりも芋井地域に近い場所にあります。

浅川東条

浅川地域南東部に位置し、公共施設が集まる行政の中心地です。宅地と田畑が広がっています。

浅川福岡

浅川地域東部に位置し、集落は南端の県道沿いにあります。北部の大半は山林です。

神楽橋

浅川地域南東部に位置し、全域が宅地化されています。緑ヶ丘公園が広がっています。

門沢

浅川地域北西部に位置し、南部は古くからの集落、北部は別荘地やホテルが点在しています。飯綱高原スキー場にも接しています。

北郷

浅川地域北部に位置し、集落は南部にあります。北部にはため池群があり、長野京急カントリークラブが広がっています。

坂中

浅川地域東部に位置し、三登山がそびえ、坂中峠の南口にあたります。集落は県道沿いにあります。

伺去

浅川地域南東部に位置する高台の住宅地です。難読地名としても知られています。

真光寺

浅川地域南東部に位置し、浅川ダムがあります。浅川油田があった場所です。

台ケ窪

浅川地域南東部に位置する山間部の集落で、大半は山林です。

中曽根

浅川地域北西部に位置し、長野市ボブスレー・リュージュパーク「スパイラル」があります。

三ツ出

浅川地域北部に位置し、集落は南部にあります。北部には長野京急カントリークラブや逆谷地湿原があります。

屋敷田

浅川地域南東部に位置し、全域が宅地化された住宅地です。

交通

浅川地域内では、アルピコ交通や長電バスなどの路線バスが利用可能です。また、長野市乗合タクシー「あさかわ号」も運行しています。主要道路として、長野県道37号長野信濃線や長野県道506号戸隠高原浅川線（浅川ループライン）があります。

主な施設

長野市役所浅川支所
長野市営浅川体育館
長野市立浅川小学校
長野市立北部中学校
長野市霊園
長野市ボブスレー・リュージュパーク「スパイラル」
長野京急カントリークラブ
浅川ダム
浅川油田 石油井戸
多くの神社、寺院

脚注

詳細な情報については、長野市役所浅川支所や浅川地区住民自治協議会の資料をご覧ください。

関連項目

浅川 (曖昧さ回避)
浅川 ([[長野県)]]

外部リンク

長野市役所浅川支所
* 浅川地区住民自治協議会だより「せせらぎ」

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