浅草お茶の間寄席

浅草お茶の間寄席：テレビで楽しむ伝統芸能

「浅草お茶の間寄席」は、千葉テレビ（チバテレ）で放送されている演芸番組です。浅草[[演芸ホール]]で収録された落語協会と落語芸術協会の公演を放送しており、主に落語が中心ですが、漫才や紙切りなどの色物も登場します。

番組概要

この番組は、定席の寄席である浅草[[演芸ホール]]の公演を収録し、毎週放送する唯一のレギュラー番組です。関西では上方[[落語]]の番組がいくつかありますが、関東地方で地上波で定期的に落語を放送している番組は「浅草お茶の間寄席」が唯一です。番組表では「浅草[[演芸ホール]]より中継」と紹介されることもありますが、実際は生中継ではなくVTR収録です。

1回の放送で2〜3席の演目が放送され、基本的には収録時のまま放送されますが、一部編集でカットされることもあります。1席の放送時間は、通常の寄席の高座時間と同様で、主任以外は10分から15分程度、主任の場合は20分から30分程度です。番組には司会者はいませんが、初期から案内役として番組出演者がおり、番組冒頭の挨拶やミニコーナーで噺家へのインタビューや浅草の店紹介などを担当しています。近年は、冒頭の案内人の挨拶は少なくなっています。

番組のフォーマットも固定ではなく、落語のみの放送回もあります。2006年からは番組公式サイトで放送予定が公開され、2008年からはミニコーナーの紹介も掲載されています。2010年7月5日放送分よりハイビジョン制作に移行しました。

放送開始当初から月曜19時が放送時間でしたが、2013年4月の番組改編で日曜18時05分に移動しました。毎年7月の高校野球千葉大会開催期間中は、番組が休止または時間変更になります。また、開始時期は不明ですが、火曜20時枠での再放送も行われていましたが、2022年4月以降は土曜18時枠に移動しています。

オープニングとエンディング

オープニングでは、番組テーマ音楽とともに、漫画家のさとう有作が描いたイラストをバックに提供スポンサーが表示されます。2008年1月28日の放送200回目からは、提供スポンサーの前に、放送される演者名と演目名が表示されるようになりました。

エンディングはオープニングとほぼ同じ構成で、提供スポンサーの後に番組制作クレジットが挿入されます。番組制作クレジットは、「協力：（社）落語協会 （社）落語芸術協会 浅草[[演芸ホール]] 画：さとう有作 制作・著作：チバテレ」です。2007年春頃からは、番組制作スタッフの名前も表示されるようになりました。2012年頃からは、噺の内容で現代において不適切な表現がある場合でも、時代背景やオリジナリティを尊重してそのまま放送する旨が表示されています。

収録について

高座の模様は、浅草[[演芸ホール]]での落語協会と落語芸術協会の公演を収録しています。収録は放送の1〜2ヶ月前に行われ、収録時には浅草[[演芸ホール]]の入り口に「収録中」の案内が掲示されます。また、放送される高座の中で、噺家が「今日はテレビカメラが入っていて、千葉テレビの収録をしています」などと話すこともあります。

案内役

番組開始当初から司会者はいませんでしたが、番組開始後しばらくしてから、フリーアナウンサーの小笠原聖が案内役として不定期で出演し、番組冒頭の挨拶やミニコーナーを担当しました。小笠原の決め台詞は「それでは お茶の間寄席 開演です！」で、顔の横に手を差し出すポーズが特徴的でした。

2006年10月頃からは、落語家の桂歌春の娘でタレントの田代沙織が案内役として登場し、ミニコーナーの「お店紹介」を担当するようになり、その後レギュラーになりました。田代は噺家へのインタビュー時に、自作の「歌春メモ」を参照していました。2020年1月から3月にかけては、田代の産休に伴い、チバテレアナウンサーの泉水はる佳が代役を務めました。

田代がミニコーナーを担当する際は、「沙織のお中入り」などと紹介されることもあります。また、チバテレの番組スポットCMには小笠原聖と田代沙織がそれぞれ出演し、過去には小笠原と2代目古今亭寿輔の共演バージョンもありました。2007年以降のCMには田代が出演し、なぞかけを披露するのが恒例となっています。

出演者

「浅草お茶の間寄席」には、落語協会と落語芸術協会所属の、テレビやラジオでおなじみの噺家から、メディアにあまり登場しない噺家まで多数出演しています。それぞれの協会ごとに放送され、約1ヶ月程度で交代します。稀に番組の都合で両協会の噺家が混合で放送されることもありますが、実際の寄席ではあり得ないことです。番組では、真打昇進披露興行の様子や新真打の高座も放送されることがあります。

番組開始当初は落語のみの放送でしたが、2005年5月23日には、あした順子・ひろしの漫才が放送されました。その後、紙切りや俗曲などの色物も不定期に放送されるようになり、現在では月に数回程度、二席目に放送されることが多くなっています。色物については、落語協会または落語芸術協会所属の漫才・漫談や、紙切りなどが放送されています。

ミニコーナー

ミニコーナーでは、「インタビュー」や「お店紹介」などを放送しています。番組放送初期には小笠原が担当していましたが、2006年10月頃からは田代が「お店紹介」を担当し、2007年以降はほぼ全てを田代が担当しています。「お店紹介」では、浅草[[演芸ホール]]付近の江戸情緒のあるお店や美味しい食べ物のお店が紹介されます。また、番組初期には、小笠原が浅草[[演芸ホール]]の楽屋を紹介したり、落語家の古今亭菊之丞と共に出演し、落語家がよく行くお店を紹介することもありました。

「インタビュー」は、主に楽屋で行われ、障子風のパーティションで区切って収録しています。番組初期には楽屋内の様子がそのまま映っていたこともありました。インタビューには、当日高座が放送される噺家が出演し、真打昇進披露興行の放送がある際には、新真打単独、複数名、または師匠と新真打が同時に出演することがあります。

2007年2月からは、田代が担当する「こだわりの逸品」や「教えて師匠〜」というコーナーも始まりました。2008年10月からは「沙織のご指名」が、2009年5月からはコスプレをしてインタビューする「メイドのみやげ」「教えてくだチャイナ」「浅草セイフクしちゃえ〜」などのコーナーも始まりました。

年末年越し特番と新春スペシャル

年末には、年越し特番として「今年もやります！生放送 落語でめでたく歳トリましょう！ 浅草お茶の間寄席祭り」が放送されました。この特番では、過去の放送からの特選集や未放送分が放送され、千葉県内の年末年始風景の中継なども行われました。

2008年からは、毎年新年に新春スペシャルが放送されています。2009年まではチバテレのみで放送されていましたが、2010年からは複数の放送局で放送されるようになりました。2013年以降は、独立局や静岡第一テレビなど9局で必ず放送されています。2018年までは過去の放送の再放送でしたが、2019年以降はチバテレ本社で新規収録を行っています。新春スペシャルでは、落語だけでなく、ナイツの漫才なども放送されています。

追悼特番

2018年8月5日には、同年7月2日に亡くなった桂歌丸の追悼特番が放送されました。番組では、歌丸の告別式の様子や、桂歌春、桂枝太郎へのインタビュー、過去に放送された歌丸の高座が放送されました。

放送局

「浅草お茶の間寄席」は、チバテレをはじめ、群馬テレビ、静岡第一テレビ、サンテレビジョン、KBS京都など、複数の放送局で放送されています。新春特番は、2016年に全国28局ネットで放送されましたが、その後、ネット局は毎年減少傾向にあります。

「浅草お茶の間寄席」は、テレビで気軽に落語を楽しめる貴重な番組です。その歴史と魅力をぜひご堪能ください。

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