浅草富士浅間神社

浅草富士浅間神社について

浅草富士浅間神社は、東京都台東区浅草に鎮座する神社です。浅草寺本堂と浅草神社の間の道を北に進み、富士通りを抜けた先に位置し、台東区立富士小学校の向かい、浅草警察署の斜め向かいという場所にあります。この神社は、浅草神社の兼務社として管理されています。

歴史

創建時期は明確にはわかっていませんが、江戸時代に富士信仰が盛んになった影響を受け、各地に建立された浅間神社のひとつと考えられています。当初は現在の蔵前である三好町にありましたが、幕府の命により現在の場所に移されたと伝えられています。本殿に残る棟札から、移転時期は元禄年間（1688年～1703年）頃と推測されています。江戸時代には、神仏習合の形態である富士権現として、浅草寺の子院である修善寺が管理していました。しかし、明治時代に入り、神仏分離令が発令されたことにより、明治6年（1873年）からは浅草神社の兼務社となりました。

祭神

この神社の祭神は、木花咲耶比売命（コノハナサクヤヒメノミコト）です。木花咲耶比売命は、日本神話に登場する女神で、富士山の神としても知られています。

境内

境内には、富士塚である浅草富士があります。富士塚は、富士山を模して作られた人工の塚で、かつては富士山への登拝が困難だった人々が、この塚を登ることで富士山を参拝したとみなす風習がありました。また、社務所や貸し会議室も境内にあります。

イベント

浅草富士浅間神社では、江戸時代から続く伝統行事である植木市が開催されます。この植木市は、毎年5月と6月の最終土日の4日間、富士通りの西隣にある「浅草柳通り」を歩行者天国にして行われます。通りには、盆栽などの植木を扱う商店が立ち並び、多くの人々で賑わいます。また、神社前を横切る「一葉桜・小松橋通り」には、縁日屋台が出店します。この植木市では、麦藁で作られた蛇を模した「麦藁蛇」も頒布されます。麦藁蛇は、古くから魔除けや豊作祈願のために用いられてきた縁起物です。

浅草富士浅間神社は、地域の人々にとって信仰の場であるとともに、歴史と伝統を感じさせる場所として親しまれています。

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