浅見與一右衛門

浅見 與一右衛門について

浅見與一右衛門（あさみ よいちえもん）は、1843年11月26日に美濃国（現・岐阜県恵那市岩村町）に生まれ、1924年3月21日に亡くなった明治・大正時代の実業家及び政治家です。浅見家の第9代当主として、彼は地域の発展に多大な貢献をしてきました。

家族背景と初期の経歴

浅見家は、岩村藩初代藩主の松平家乗が転封の際に随行してきた家系です。この家柄から、代々藩の財政を支える重要な役割を担ってきました。與一右衛門は1865年に家督を相続し、間もなく町庄屋や戸長として地域に関与し始め、その後も農会議員や県会議員、さらには衆議院議員として活躍しました。

地域振興への取り組み

彼は、1865年からの激動の時代においても、地域の復興と発展に積極的に取り組みました。中でも特筆すべきは1878年に設立した多治見第四十六銀行で、同年には自宅内に岩村支店も開設しています。また、養蚕伝習所を設立し、蚕の飼育法を広めることで地元の製糸業を育てる活動を行いました。

1882年には、岩村町から土岐郡を経て名古屋街道に接続する岩村街道の開削を発起し、1884年にその道が開通しました。この道は地域の交通と産業の発展に寄与し、地元経済の活性化に大きな影響を与えました。

政治的活動

於一右衛門は、政治活動にも力を注ぎました。1887年には岐阜県の県会議長に就任し、1893年からは自由党員として衆議院議員に選出されました。尾崎行雄らと共に政治界で活躍し、地域の声を国政に届けるための重要な役割を果たしました。

交通インフラの整備

特に彼の偉業として称賛されるのは、岩村電気軌道の設立です。1903年までに、彼は私財を投じて岩村電気軌道株式会社を設立し、岩村町と国鉄中央本線を結ぶ交通網の整備に尽力しました。1906年には、幾多の困難を克服しながら岩村〜大井間に日本で13番目となる電気鉄道を開通させました。

この電気鉄道は地域の通勤や物流の利便性を向上させ、岩村の発展に寄与しました。1920年には岩村電気軌道を矢作水力株式会社と合併し、さらなる発展を遂げています。

記念碑と遺産

彼の偉業を称えるために、岩村城址公園には彼の銅像が建てられ、また大井町中央通りには顕彰碑も設置されています。また、彼の三男である浅見與七は東京大学の名誉教授として名を馳せました。

結論

浅見與一右衛門の人生は、地域社会への奉仕と発展を目指した活動の連続でした。彼の功績は今も地域に根付いており、地域の歴史の中で大きな影響を与え続けています。彼の名は今も地元の人々に語り継がれ、歴史的な偉人として記憶されています。

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