浅野義夫

浅野義夫

浅野義夫（1895年10月 - 1976年5月15日）は、明治時代から昭和時代にかけて活躍した日本の実業家であり、浅野財閥の創始者である浅野総一郎の四男として知られています。彼は浅野財閥傘下の様々な企業で重役を歴任し、その経営手腕を発揮しました。

経歴

浅野義夫は1895年（明治28年）10月に誕生しました。幼少の頃は龍蔵という名でしたが、後に義夫と改名しています。1919年（大正8年）に小樽高商（現在の小樽商科大学）を卒業後、すぐにアメリカへ渡り、ニューヨークのグレース商会（W. R. Grace & Co., New York）に3年間勤務しました。この海外での経験が、彼の国際的な視野とビジネス感覚を養う上で重要な役割を果たしたと考えられます。

1921年（大正10年）に帰国してからは、浅野財閥の中核企業をはじめ、数多くの関連会社で重役を兼務しました。1937年（昭和12年）頃には、小倉製鋼の東京出張所に毎日出勤し、社務を統括するなど、多忙な日々を送っていました。彼のリーダーシップと実行力は、多くの人々から信頼されていました。

第二次世界大戦後、財閥解体という大きな変革期を迎えますが、浅野義夫は東都製鋼の相談役やトピー工業の最高顧問といった要職に就き、引き続き日本の産業界に貢献しました。また、尼崎築港の大株主としても知られていました。

1976年（昭和51年）5月15日、浅野義夫は80歳でその生涯を閉じました。彼の功績は、日本の経済発展に大きく貢献したこととして、今も語り継がれています。

役職

浅野義夫は、そのキャリアを通じて多岐にわたる役職を歴任しました。以下に主な役職を列挙します。

1929年（昭和4年）頃：大日本鉱業、鶴見木工の重役
1937年（昭和12年）頃：鶴見製鉄造船（現JFEグループ、ジャパンマリンユナイテッド）、京浜運河（現東亜建設工業）、北秋木材（現北秋）の監査役
* 1941年（昭和16年）～1943年（昭和18年）：鋼材商事（現JFE鋼材）、満州鋼機、中外精機、東京湾埋立（現東亜建設工業）、尼崎築港、阪神貨物自動車運輸の社長、小倉製鋼（現日本製鉄）、小倉築港（小倉興産）の専務、尼崎製鋼所の常務、浅野同族、浅野興業、室蘭埋築、浅野物産（現丸紅）、三和鋼材、浅野重工業（現日本製鉄）、港湾工業（現東亜建設工業）、浅野ビルディング、鉄筋コンクリート、鶴見臨港鉄道（現JR鶴見線）、川崎鶴見臨港バス、川崎自動車運輸の取締役、浅野証券保有、関東水力電気（佐久発電所）、日之出汽船（NYKバルクプロジェクト）、小倉海運の監査役、浅野総合中学校（浅野中学校・高等学校）幹事

これらの役職からもわかるように、浅野義夫は浅野財閥の多岐にわたる事業に関与し、その発展に大きく貢献しました。

家族

浅野義夫の妻である久子は、「ぶどう酒王」として知られる近藤利兵衛の養妹でした。この婚姻関係は、浅野財閥と近藤家の結びつきを強め、両家の事業展開にも影響を与えたと考えられます。

浅野義夫は、実業家としてだけでなく、日本の経済史においても重要な人物です。彼の多岐にわたる事業への貢献と、そのリーダーシップは、後世に語り継がれることでしょう。

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