浅間型装甲巡洋艦

浅間型装甲巡洋艦の概要

浅間型装甲巡洋艦（あさまがたそうこうじゅんようかん）は、大日本帝国海軍が日露戦争前にイギリスから購入した最初の装甲巡洋艦です。この艦は、六六艦隊の装甲巡洋艦の第一期拡張計画第3期に依拠して整備されました。興味深い点は、浅間型が当初の建造計画時にアームストロング社で建造中であった輸出用の一等巡洋艦を急遽購入した結果、建造計画で最も若いグループに属しながら、六六艦隊内では最も古い竣工年を持つ艦となったことです。

艦形と構造

この艦の船体は、典型的な平甲板型のデザインで、優れた波乗り性能を持つように乾舷が高めに設計されています。艦首部分には衝角が装備されています。主砲は新型の「20.3cm (40口径) 砲」であり、楕円形の連装砲塔に収納されています。1番主砲塔と指揮艦橋、単脚の前檣、そして二本の煙突の両脇には、太い通風筒が設置されています。構造としては、艦載艇置き場やボートクレーン用の単脚の後檣、その後方には2番主砲塔が配置されています。

副砲については「1895年型 15.2cm (40口径) 砲」が採用され、舷側中央部に1基追加され合計14基となりました。また、艦首・艦尾及び上甲板には水雷艇対策として8cm (40口径) 単装速射砲が12基装備されています。加えて、47mm砲は副砲の増設に伴い数量が減少し、単装で8基に留まりました。

火砲と性能

浅間型の主砲は、150度の旋回能力と、仰角30度・俯角5度の射撃角度を持つ「20.3cm (40口径) 砲」です。113kgの弾丸を毎分2発のペースで発射可能で、最大射程は仰角30度で18,000mです。また、15.2cm副砲は毎分5発の火力を持ち、熟練兵士であれば7発を可能としました。さらに、最大射程は仰角20度で9,140mに達します。この他にも、ヴィッカーズ社製の「1894年型 8cm (40口径) 単装速射砲」が12基、47mm単装速射砲が8基、そして魚雷発射管が艦首部に1基、舷側部には4基装備されています。

機関と航続性

機関は、石炭専焼の円缶が12基使用され、また直立型三段膨張式の四気筒レシプロ機関が2基搭載されていました。これにより出力は18,000hpとされ、速力は21.5ノットを記録しました。航続距離については、石炭1,409トンを搭載時に速力10ノットで7,000海里を走行可能ですが、燃焼効率を考慮して石炭搭載量を増やしています。

歴史的背景

当初、六四艦隊は戦艦6隻と装甲巡洋艦4隻の編成を予定していましたが、ロシア艦隊の増強を受けて、イギリスから浅間型艦を2隻追加購入したことで、最終的に六六艦隊が編成されました。購入時には既に船体の建造が進んでいましたが、武装は日本仕様に変更可能でした。

「浅間」は明治33年から41年にかけて、連続して観艦式のお召し艦に選ばれ、日本海軍の歴史でも特別な存在です。また、浅間型艦は日露戦争における戦闘に加え、大正から昭和にかけて練習艦隊を編成し、少尉候補生たちの遠洋航海にも使用されるなど、多様な役割を果たしました。

同型艦

この艦型の他の同型艦には、浅間（あさま）と常磐（ときわ）が存在します。

このように、浅間型装甲巡洋艦は大日本帝国海軍にとって画期的な艦の一つであり、その設計や運用はさまざまな影響を及ぼしました。

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