海乃月雫

海乃 月雫

海乃 月雫（うみの つきな）は、日本の女子プロレスラー。かつては俳優として活動しており、現在はマーダーミステリー専門店「シンジュクジンチ」所属のゲームマスターという顔も持つ。プロレスラーとしては、プロレスリングWAVEでのデビュー後、一度は廃業しながらもアイスリボンで再デビューを果たした異色の経歴を持つ。旧リングネームは塚田 しずく。

経歴

大学在学中に演劇研究会に所属し、その後大学を中退。劇団スーパー・エキセントリック・シアターの研究生として演劇を学び、卒業後はフリーランスとして舞台を中心に活動していた。また、俳優業と並行して、現在はマーダーミステリー専門店「シンジュクジンチ」でゲームマスターを務めるなど、多才な一面を見せている。

プロレスキャリア

プロレスリングWAVE時代

人生で初めてプロレスを観戦した際に強く惹きつけられ、練習生になりたいと団体へ直談判したことがプロレスラーを目指すきっかけとなった。2020年9月1日、プロレスリングWAVEへの練習生入団がサプライズ発表される。約半年間の練習生期間を経て、2021年3月24日には桜花由美を相手にエキシビションマッチを実施。当時の彼女の仕上がりを評したGAMI会長の発言もあり、同年4月1日、新宿FACE大会での高瀬みゆき戦でプロレスデビューを果たした。デビュー後、まもなくコレガプロレスへの他団体参戦も経験。しかし、2021年8月22日の後楽園ホール大会での試合後、外傷性肺気胸により欠場に入った。さらに、精神疾患によるドクターストップがかかり、プロレス活動の継続が困難となったため、2021年9月22日付でWAVEを退団。一度はプロレスラーとしての道を断念した。

アイスリボンでの再起

プロレスラー廃業から約1年後、2022年11月27日にアイスリボンの大会会場に登場し、「海乃月雫」のリングネームでプロレス界に復帰することを表明。同年12月4日、176BOX大会で星ハム子とタッグを組み、再デビュー戦を行った。復帰後まもなく、12月31日の後楽園ホール大会ではキクから勝利を収め、キャリア初の自力勝利を挙げた。この勝利のフィニッシュとなったのは、田村欣子から直伝されたトモレクラッチであった。

2023年に入ると、道場マッチで3WAY戦での初勝利を記録。さらに、雫有希との「雫」のリングネームを賭けた特殊ルール戦に敗れ、一時的にリングネームが「海乃月」となるも、同年4月29日には雫有希に勝利し、直伝トモレクラッチでリングネーム「海乃月雫」を取り戻した。シングルマッチでの初勝利や、自身にとって初のデビュー戦相手となった愛い姫との対戦など、経験を積んだ。また、ブルアーマーリングサービスが管理するSpunky選手権で自身初のベルト挑戦を果たすも、雫有希に敗れ戴冠はならなかった。アイスリボンの最高峰王座であるICE×∞王座への挑戦権を持つYuuRIからの逆指名を辞退するなど、独自の道を歩む姿勢も見せた。2023年10月には再び精神疾患による無期限休業を発表するが、約1ヶ月後に復帰。2024年8月23日には、ついに後楽園ホールでICE×∞王座へ初挑戦を果たした。しかし、2025年1月3日の試合中に鎖骨を骨折し、再び長期欠場に入ることが発表されている。

現在、アイスリボンの公式YouTubeチャンネルでは、毎週金曜日更新のトークコーナー「海乃のツキナイ話」を担当している。

人物・得意技

プロレスラーを目指すきっかけは、偶然観戦したプロレスの試合に一目惚れしたこと。プロレスへの情熱は非常に強く、アイスリボンでの再デビュー時のコスチュームは自身で製作したという。双極性障害であることを公表しており、病気と向き合いながらリングに立ち続けている。意外な一面として、賄いが食べたいという理由で寿司屋でのアルバイト経験があることも知られている。

得意技には、田村欣子から継承した直伝トモレクラッチや変形ラ・マヒストラルがある。その他、フィッシャーマンズ・スープレックス、ミサイルキック、スワンダイブ式ミサイルキック、クレイモアなども使用する。

廃業という大きな挫折を乗り越え、プロレスへの情熱を胸に復帰を果たした海乃月雫。病気や怪我とも向き合いながら、リングで輝きを放ち続けている。

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