海印寺大蔵経板殿

海印寺大蔵経板殿

海印寺大蔵経板殿（かいいんじ・だいぞうきょうはんでん）は、大韓民国南部、慶尚南道陜川郡の海印寺に位置する重要な文化遺産です。この建物はユネスコの世界遺産に登録されており、歴史的および文化的に大きな意義を持っています。

概要

蔵経板殿は、韓国の高麗時代に制作された八万大蔵経を収蔵するための経蔵で、1488年に建設されました。海印寺の中でも最も古い建物であり、周囲の本堂よりも高い位置にあります。この経蔵は長方形の中庭を囲む形で、二つの長い建物と二つの短い建物から成り立っています。特に注目すべきは、版木の保存を目的とした独特の構造を持っている点です。

この構造は、内部に自然の換気を提供すると同時に、気温や湿度の調節を助け、さらに害虫やげっ歯類の侵入を防ぐ役割も果たしています。

海印寺の歴史

海印寺は、新羅時代に僧侶義湘によって802年に建立されたと伝えられています。「海印」という名前には、仏教の教えを象徴する意味が含まれており、「海のように澄み渡った智慧」を表しています。歴史の中で、この寺は元の侵略や火災など数回の危機を迎えましたが、1817年に現在の本殿が再建されました。海印寺はまた、高麗八万大蔵経を保存していることから「法宝寺刹」とも称されています。

主な建築物

海印寺にはいくつかの重要な建築物があります。なかでも、

• - 大寂光院（本殿）：毘盧遮那仏を本尊として奉っています。
• - 蔵経板殿（大蔵経経板閣）：高麗八万大蔵経が収蔵されている場所です。
• - 九光楼：その他の重要な構造物です。

高麗八万大蔵経

高麗八万大蔵経は、仏教の経典を集めたもので、現存する大蔵経としては最も重要なものの一つとされています。この版木は、元からの侵攻の脅威にさらされる中で、高麗王朝が国家の繁栄を願い、1236年から制作が開始されました。15年の歳月をかけて、1251年に江華島で完成しました。その後、1398年に海印寺に移され、現在に至ります。2004年時点で、海印寺の蔵経板殿に収蔵されています。

登録基準

海印寺大蔵経版殿がユネスコの世界遺産に登録されている理由は、以下の基準を満たしているからです。
1. 人類の歴史上重要な時代を例示する建築様式の優れた例。
2. 顕著で普遍的な意義のある出来事や現存する伝統、思想に関連する文化的意義。

これらの基準は、他の多くの文化遺産とは異なり、海印寺大蔵経版殿の価値を高めています。

海印寺大蔵経板殿は、その歴史的・文化的な価値に加え、建築技術の面でも非常に興味深い存在です。訪れる人々に深い感銘を与えるこの場所は、韓国の豊かな文化遺産の一部として、今後も大切に保護されていくことでしょう。

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