海岸寺 (香川県多度津町)

海岸寺の概要

海岸寺（かいがんじ）は、香川県仲多度郡多度津町西白方に位置する真言宗醍醐派の寺院で、その落ち着いた雰囲気と美しい景観から訪れる人々に愛されています。この寺院は経納山（きょうのうざん）や迦毘羅衛院（かびらえいん）とも呼ばれ、本尊は聖観世音菩薩です。х

海岸寺は、本坊と奥之院の二つの主要な構造から成リー立っています。それぞれ約400メートル離れた場所に位置し、本坊は主に参拝者が訪れる場所であり、奥之院には弘法大師誕生仏が祀られています。この寺は四国別格二十霊場の第十八番札所としても知られており、四国三十六不動霊場の第三十一番札所、および讃岐十二支霊場卯歳守護文殊菩薩札所としても有名です。全国百八ヵ寺の愛と心の寺めぐりの一環でもあります。

歴史

海岸寺の歴史は、伝説に彩られています。寺伝では、この地が弘法大師・空海の母、玉依御前の生まれ故郷とされていることから始まります。空海は奈良時代後期の宝亀5年（774年）に、ここで生まれたとされています。平安時代初期の大同2年（807年）には、空海自身が本堂を建立し、聖観音菩薩または弥勒菩薩を安置したと伝えられています。

その後、弘仁6年（816年）には自身の像を刻み、大師堂を建設したことにより奥之院が開かれたとされています。しかし、戦国時代に入ると、長宗我部元親の軍勢によって伽藍が焼失するなど多くの試練を経験しました。その後、再建されるも、文化年間には誕生争いが善通寺と繰り広げられ、江戸幕府が介入する事態に発展しました。

明治時代に入ると、琴平松尾寺多門院との合寺が行われ、多門院は廃止され、海岸寺に統合されることとなりました。1895年には、本坊の海岸にロシア兵捕虜が収容される施設が設置され、歴史に新たな一幕が加わります。

境内の特徴

境内には本坊と奥之院があり、それぞれの場所に異なる魅力があります。

• - 本坊には、1965年に落慶した山門があり、仁王像の代わりに地元出身力士の像が立っています。1856年に再建された本堂では、様々な仏像が安置され、参拝者が自由に訪れることができます。また、不動明王堂には重要な仏像が祀られており、多くの参拝者を引き寄せています。
• - 奥之院には、1920年に落成した大師堂があり、日本で唯一の大師誕生仏が設置されています。また、二重の塔もあり、1953年には入魂が行われました。この場所には空海の青春時代にまつわる逸話も多く残されています。

寺内には納経所が設けられており、本尊や霊場札所の納経が行われています。参拝者は本坊と奥之院の両方でその御朱印を受け取ることができ、神聖な空間を体験することができます。

交通アクセス

海岸寺へのアクセスは比較的便利です。最寄りの鉄道駅はJR予讃線の海岸寺駅で、そこからは徒歩で約0.4 kmの距離にあります。また、車を利用する場合には、香川県道21号丸亀詫間豊浜線を利用することができます。

海岸寺は海に面しており、屏風ヶ浦の美しい景色を望むことができるため、観光と参拝を通じて心を癒すことができる場所です。訪れる人々に静かな時間を提供し、歴史と神聖な雰囲気を感じていただけることでしょう。

もう一度検索