海崎駅

海崎駅：日豊本線沿線に佇む歴史と変化の駅

大分県佐伯市大字海崎に位置する海崎駅は、九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線沿線にある駅です。1923年（大正12年）7月1日の開業以来、地域の交通を支えてきました。

開業から現在までの歴史

開業当初は鉄道省によって運営され、貨物や荷物の取扱いも行われていましたが、1977年（昭和52年）3月1日にはこれらの扱いが廃止され、同時に駅員が無配置となりました。その後、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化によってJR九州へと引き継がれ、現在に至ります。

近年では、自然災害の影響も受けています。2017年（平成29年）9月には台風18号の被害により、日豊本線の一部区間が運休。海崎駅もその影響を受け、代行バス輸送が実施される事態となりました。同年12月に運転が再開されましたが、駅周辺のインフラ整備の課題が改めて浮き彫りになりました。また、2018年（平成30年）5月には駅待合所で火災が発生し、一部が焼損するといった出来事もありました。

駅舎と設備

海崎駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。かつては木造駅舎でしたが、老朽化のため解体され、現在は新しい簡易駅舎に建て替えられています。駅舎内には出札窓口がありますが、現在使用されていません。無人駅であるにも関わらず、自動券売機が設置されているなど、利用客の利便性を考慮した設備が整えられています。駅舎には日替わり駅長の看板がありますが、これは無人駅であることを示す象徴的なものです。

かつては、駅構内から太平洋セメント佐伯プラントへの専用線が敷設されていました。しかし、同プラントの操業停止に伴い、専用線は撤去され、現在は痕跡もほとんど残っていません。太平洋セメント佐伯プラントがあった敷地では、現在、イーレックスニューエナジー佐伯株式会社が発電事業を行っています。

利用状況と周辺環境

2015年度の1日平均乗車人員は約42人と、利用客数は減少傾向にあります。駅周辺には海崎郵便局や国道217号、大分県道605号床木海崎停車場線などがあります。かつては地域の重要な産業拠点であった太平洋セメント佐伯プラントも、生産体制の見直しにより操業を中止しています。

隣の駅

海崎駅の隣接駅は、下り方面が佐伯駅、上り方面が狩生駅です。日豊本線沿線において、海崎駅はこれらの駅とを結ぶ重要な役割を担っています。

まとめ

海崎駅は、歴史と変化を刻んできた駅です。開業から約100年、地域の交通を支えてきましたが、近年は利用客数の減少や自然災害、産業構造の変化といった課題に直面しています。しかし、自動券売機の設置など、利用客への配慮も続けられています。今後、海崎駅がどのように変化し、地域社会に貢献していくのか注目されます。

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