海底 (麻雀)

麻雀における海底（ハイテイ）と河底（ホウテイ）

麻雀の終局間際に出てくる「海底（ハイテイ）」と「河底（ホウテイ）」という言葉。これらは単に局の終わりを意味するだけでなく、特定の役とも深く関わっています。本記事では、これらの用語の意味、関連する役、そして歴史的背景について詳しく解説します。

海底とは

海底とは、麻雀において局の最後に行われる摸打（最後のツモ）のことです。通常、王牌を除く壁牌（山）の最後の1枚が海底牌となります。この海底牌をツモってきた人が和了（ホーラ）した場合、「海底摸月（ハイテイモーユエ）」という役が成立する可能性があります。

海底牌（ハイテイハイ）: 海底におけるツモ牌
河底牌（ホウテイハイ）: 海底における打牌

海底の手順と制約

1. 海底牌をツモ
2. ツモ和了を宣言、または不要な牌を1枚捨てる（リーチ時はツモ切り）
3. 捨てられた牌は河底牌となる
4. 河底牌に対し、誰もロンを宣言しなければ流局

ただし、海底にはいくつかの制約があります。

槓（カン）の禁止: 海底での槓（暗槓・加槓）はできません。槓をすると王牌の数が合わなくなるためです。
河底への鳴き禁止: 河底牌に対して、ポン・チー・大明槓はできません。
* 海底直前のリーチ制限: 一般的なルールでは、山の残りが4枚未満の場合、リーチをかけることはできません。

海底摸月（ハイテイモーユエ）

海底摸月は、海底牌をツモ和了した場合に成立する1飜役です。別名として「海底撈月（ハイテイラオユエ）」と呼ばれることもあります。役の意味は「海に映る月をすくい取る」といったもので、四字熟語の「海底撈月」は「無駄な努力」の例えとして使われます。

門前（メンゼン）で聴牌（テンパイ）していた場合、自摸（ツモ）で和了ると門前清自摸和（メンゼンチンツモホー）と複合します。また、門前を崩して役がない状態でも、海底摸月によって1飜がつくため和了できます。

ただし、海底の直前の槓で嶺上牌（リンシャンハイ）をツモ和了しても、海底摸月は成立しません。嶺上開花（リンシャンカイホー）との複合もないです。

河底撈魚（ホウテイラオユイ）

河底撈魚は、河底牌でロン和了した場合に成立する1飜役です。「河底（ホウテイ）」と略されますが、「海底」と混同されることも多いです。意味は「川底の魚をすくい取る」ことで、海底摸月と同様に、状況をイメージしやすい名称となっています。

完先ルールなどでは、形式聴牌での河底撈魚を認めない場合があります。他に役があれば河底撈魚も加算されますが、河底撈魚のみでは1飜縛りを満たさないという扱いになります。

海底の直前に槓があった場合、その槓の後の打牌が河底牌となるため、その牌でロン和了すれば河底撈魚が成立します。

フリテンの場合は、海底摸月は可能ですが、河底撈魚はできません。

海底・河底と歴史

麻雀が日本に伝来した当初は、海底牌のツモで和了がなければ打牌せずに流局となるルールもありました。その後、日本独自のルールが整備される中で河底撈魚が生まれ、現在では多くのルールで採用されています。

河底撈魚の名称制定時には、「魚」という字が生臭いのではないかという意見も出ましたが、最終的には「撈魚」に落ち着きました。しかし、制定後に「河底撈珠」という故事があることがわかり、もっと優雅な名前にすればよかったと後悔したという逸話も残っています。

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