海瀬駅

海瀬駅：日本一海から遠い駅

長野県南佐久郡佐久穂町に位置する海瀬駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）小海線沿線にある無人駅です。1919年（大正8年）3月11日、佐久鉄道羽黒下駅～小海駅間の開通と同時に海瀬停留所として開業しました。当初は旅客営業のみでしたが、1934年（昭和9年）には佐久鉄道の国有化に伴い海瀬駅となり、小海線の一部として運行されるようになりました。その後、1954年（昭和29年）には旅客取扱区間の制限が解除され、現在に至ります。

駅の構造と利用状況

海瀬駅は単式ホーム1面1線を有する地上駅で、小淵沢方面に向かって右側にホームが設置されています。無人駅であるため駅員は常駐していませんが、利用者の便宜を図るため待合室が設けられています。

利用状況は近年減少傾向にあります。長野県統計書によると、2007年度の1日平均乗車人員は164人でしたが、2011年度には137人にまで減少しています。これは、自動車の普及や人口減少などの影響が考えられます。

駅周辺の環境

海瀬駅の周辺には、いくつかの公共施設や民間企業が存在しています。具体的には、佐久穂町立の小学校と中学校（2015年4月1日に統合され中高一貫校となりました）、四ッ谷簡易郵便局、東京電力海瀬発電所、佐久穂町役場佐久庁舎、佐久穂町立千曲病院、佐久穂町図書館などがあります。また、駅のすぐ南側では東京電力海瀬発電所の水圧管路が線路の上を通過しています。国道299号も駅近くを通っており、交通の便は比較的良好です。

日本一海から遠い駅

海瀬駅は、その立地から日本一海から遠い駅として知られています。JR東日本長野支社小海線営業所が長野県公共嘱託登記土地家屋調査士協会に依頼した調査によると、海瀬駅は新潟県糸魚川市の海岸線から112.77km離れており、2番目に海から遠い駅である群馬県の上信電鉄上信線南蛇井駅（112.05km）と比較して約700mの差をつけています。この事実を記念して、駅にはJR東日本長野支社小海線営業所職員によって「日本一海から遠い駅」「112.772km」の看板が設置されています。

隣の駅

海瀬駅の隣の駅は、小海線上り方面が八千穂駅、下り方面が羽黒下駅です。これらの駅と合わせて、小海線のローカル線の雰囲気を味わうことができます。

まとめ

海瀬駅は、利用客数の減少という課題を抱えながらも、日本一海から遠い駅というユニークな特徴と、静かで自然豊かな周辺環境を持つ魅力的な駅です。歴史を感じさせる駅舎と、周囲の風景は、訪れる人に静かな感動を与えてくれるでしょう。 将来においても、地域住民の生活の足として、そして、日本一海から遠い駅という観光資源として、その役割を担い続けることが期待されます。

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