消防大学校

総務省消防庁が設置する消防大学校（しょうぼうだいがっこう、略称：消大、英称：Fire and Disaster Management College）は、日本の消防組織の将来を担う上級幹部（消防職員・消防団員）に対し、高度な専門知識・技術および指導力を修得させるための国の教育訓練機関です。消防組織法等に基づき設置された施設等機関であり、教育研修に加え、消防技術に関する調査研究も行っています。本部は東京都調布市にあります。

沿革

消防大学校の起源は、1948年に設立された「消防講習所」にあります。初期から指導者育成や専門分野の研修を行い、1959年には消防組織法改正により「消防大学校」と改称されました。以降、救急や救助など時代の要請に応じた専門課程を拡充。2001年には中央省庁再編を経て総務省消防庁の所属となり、2006年には独立行政法人消防研究所を統合し、下部組織として「消防研究センター」を設置。教育と研究開発が連携する体制を確立しました。

組織と機能

消防大学校は東京都調布市深大寺東町に位置し、校長の下、教育を担う教務部、調査研究を担う調査研究部などが置かれています。調査研究部には消防研究センターがあります。主な機能は、消防の上級幹部候補生へ高度な教育研修を提供すること、消防に関する調査研究、そして全国の消防学校への技術支援です。隣接地には日本消防検定協会があります。

教育課程

消防大学校では、幹部育成の総合教育と、各専門分野に特化した専科教育を提供しています。総合教育では組織運営や幹部能力を、専科教育では警防、救助、救急、予防、危険物、火災調査、教官養成などの専門知識・技術を習得します。また、緊急消防援助隊教育科では大規模災害対応の専門訓練、危機管理・防災教育科では地域防災に関する人材育成を行います。これらの課程を通じて、現代の多様なニーズに対応できる高度専門人材を育成しています。

アクセス

消防大学校は東京都調布市にありますが、市北部で三鷹市との市境に近く、主要駅からはバス利用が一般的です。特に、JR線・京王井の頭線の吉祥寺駅またはJR線・総武線の三鷹駅から、小田急バス「消防大学前」停留所まで約20分です。京王線調布駅からのバス便は限られています。

補足

一般に「消防大学」と呼ばれますが、学校教育法に基づく大学ではなく、総務省消防庁管轄の省庁大学校です。現職の消防職員・消防団員の幹部候補生などを対象としており、高等学校卒業者が直接入学する機関ではありません。

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