瑞芳区

瑞芳区（ルイファン/ずいほう-く）は、台湾北部に位置する新北市に属する市轄区です。

地理

瑞芳区は、新北市の北東部に位置し、山地と海岸線が入り組んだ地形が特徴です。この地理的特性が、後述する鉱業の発展や独特の景観を形成する要因となりました。

歴史

瑞芳の歴史は、清朝末期の光緒年間にまで遡ります。当初、交通は水運が主体であり、柑坪里（かんぺいり）に港が設けられ、台湾東部への重要な中継地として機能していました。しかし、瑞芳が大きく発展を遂げるきっかけとなったのは、金瓜石（きんかせき）や九份（きゅうふん）での金鉱発見です。

これらの金鉱開発に伴い、瑞芳は鉱山の補給基地としての役割を担うようになりました。特に、現在の柑坪里（旧名：柑仔瀬）周辺は、金山に向かう労働者向けの商店が立ち並び、活気に満ち溢れていました。その中の一つに「瑞芳」という名の商店があり、金山労働者が柑仔瀬へ行くことを「瑞芳へ行く」と表現していたことから、この地域全体が「瑞芳」と呼ばれるようになったと言われています。

日本統治時代に入ると、1901年（明治34年）11月11日に基隆庁の管轄となり、1905年（明治38年）7月1日には、台湾総督府により「瑞芳区」と「𫙮魚坑区（ぎょこうく）」が設置されました。その後、1909年（明治42年）10月25日に基隆庁が台北庁に合併されたことに伴い、両区は台北庁水返脚支庁の管轄となりました。

1920年（大正9年）10月1日の地方改制で、瑞芳区と𫙮魚坑区は合併して台北州基隆郡「瑞芳庄（ずいほうしょう）」となりました。1938年（昭和13年）2月11日には「瑞芳街（ずいほうがい）」へと昇格し、行政の中心としての役割を強めていきました。

第二次世界大戦後の1946年1月16日、中華民国統治下に入ると「瑞芳鎮（ずいほうちん）」に改編されました。そして、2010年12月25日には、台北県が新北市に改編されたことに伴い、瑞芳区へと改編され現在に至ります。瑞芳区に改編されるまで、瑞芳は基隆北海岸地域で唯一の鎮でした。

行政区画

瑞芳区は、複数の里（日本の町内会に相当）によって構成されています。これらの里は、地域住民の生活拠点であり、行政サービスやコミュニティ活動の中心となっています。

政治

行政

区長が瑞芳区の行政を統括しており、区の運営や住民へのサービス提供を行っています。

歴代区長

瑞芳区の歴代区長については、公式記録を参照することで詳細を知ることができます。

交通

瑞芳区は、鉄道、バスなどの公共交通機関が整備されており、台北市や近隣の地域からのアクセスが容易です。特に、瑞芳駅は、九份や金瓜石などの観光地へのアクセス拠点として、多くの観光客が利用しています。

教育

瑞芳区内には、小学校、中学校などの教育機関が設置されており、地域住民の教育を支えています。

観光

瑞芳区には、多くの観光スポットが存在し、国内外から多くの観光客が訪れます。

観光スポット

九份（きゅうふん）: かつて金鉱で栄えた街で、ノスタルジックな雰囲気が魅力です。狭い路地や階段が入り組んだ街並みは、独特の景観を形成しており、多くの観光客を魅了しています。
金瓜石（きんかせき）: 金鉱山跡を整備した観光地で、鉱山博物館や坑道などを見学できます。当時の鉱山労働者の生活や採掘の様子を垣間見ることができます。
黄金博物園（おうごんはくぶつえん）: 金瓜石にある博物館で、金鉱の歴史や文化を学ぶことができます。金鉱石の展示や金箔を使った体験コーナーなど、さまざまな展示が楽しめます。
猴硐（ホウトン）: 猫が多く住む街として知られており、猫好きにはたまらない観光スポットです。街の至る所で猫を見ることができ、猫をテーマにした雑貨店やカフェも点在しています。
陰陽海（いんようかい）: 海水の色が黄色と青色に分かれている珍しい海です。これは、金鉱から流れ出た鉱物成分が海水に混ざり込むことで起こる現象です。
水湳洞（すいなんどう）: 陰陽海近くにある港町で、古い鉱山の遺構が残っています。海と鉱山のコントラストが美しい景観を作り出しています。
瑞芳駅（ずいほうえき）: 瑞芳区の交通の要であり、九份や金瓜石へのバスの発着点にもなっています。
瑞芳龍巌宮（ずいほうりゅうがんぐう）: 地元の信仰を集める寺院で、歴史的な建築物を見ることができます。

これらの観光スポットは、瑞芳区の歴史、文化、自然を体験できる魅力的な場所です。

外部リンク

瑞芳区に関する詳細は、以下の公式サイトや関連サイトをご参照ください。
新北市瑞芳区公式サイト
台湾観光局公式サイト

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