深圳湾口岸

深圳湾口岸について

深圳湾口岸は、中国広東省深圳市南山区と香港特別行政区新界元朗区の間に位置する、重要な出入境検査場です。この口岸は、両地域を結ぶ深港西部通道（深圳湾公路大橋）の拠点として機能し、人や物の流れを円滑にしています。開場時間は朝6時30分から深夜24時までとなっています。

概要

深圳湾口岸は、南山区蛇口東角頭の埋立地に建設され、その広大な敷地面積は47.7ヘクタールに及びます。特徴的なのは、中国大陸部と香港で異なる交通ルール（右側通行と左側通行）に対応するための車線変更施設が設けられている点です。この口岸の最大の特徴は、「一地両検」と呼ばれる出入境審査方式です。これは、一つの場所で中国と香港双方の出入境管理官が審査を行うシステムで、これにより、旅行者は一度の手続きで通関を完了できます。特にバスツアーなどの団体旅行者にとっては、大幅な時間短縮につながります。税関申告のために荷物を持って下車する必要はありますが、ゲート間の距離が短く、十分な数のゲートが用意されているため、通常10分程度で手続きが完了します。これは、しばしば1時間以上を要する羅湖口岸や皇崗口岸と比較して、非常に効率的です。

自家用車やミニバンを利用する旅行者は、乗車したまま手続きを行うことができます。世界で初めて、乗車したまま顔認証を行うNECのシステムが導入されており、スムーズな通関が可能です。ただし、中国入国審査は厳しくなる傾向があり、場合によっては下車が必要となることもあります。

歴史

深圳湾口岸の建設と「一地両検」の導入には、法的な課題がありました。2006年、中国の全国人民代表大会常務委員会は、香港特別行政区が深圳湾口岸の一部区域を管轄することを認める決定をしました。これにより、深圳側に香港の出入境検査場を設置し、隔離する方式が可能になりました。香港側も2007年に「深圳湾口岸港方口岸区条例」を制定し、「一地両検」の法的根拠を確立しました。2007年7月1日、深圳湾口岸は正式に供用を開始し、香港返還10周年を記念する式典が開催されました。

制限区域

香港法例第245章により、深圳湾口岸の香港側エリアは制限区域とされています。この区域に立ち入るためには、有効な旅券や関連書類の携帯が義務付けられています。また、国境を越えない場合でも、香港警察が発行する「出入禁区許可証」が必要です。そのため、Uberなどの一般車両は、このエリア内への立ち入りが制限されています。

関連項目

• - 羅湖口岸
• - 福田口岸
• - 皇崗口岸
• - 文錦渡口岸
• - 沙頭角口岸
• - 深圳宝安国際空港

深圳湾口岸は、深センと香港間の移動をスムーズにする上で、重要な役割を果たしています。その効率的なシステムと最新技術の導入は、他の出入境検査場のモデルとなるでしょう。

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