清仏戦争

清仏戦争（1884-1885年）

清仏戦争とは、1884年8月から1885年4月までの間に、フランスと清国（中国）との間で発生した戦争であり、主にベトナムの領有を巡るものでした。この戦争は、フランスがベトナムの支配を強化する一方で、清国の影響力が衰退していく過程を象徴するものでもあります。

背景

フランスのベトナム進出

1830年代のフランスは、アジアでの植民地拡大を目指し、1840年代からベトナムに目を付け始めました。1858年から1862年にかけてのコーチシナ戦争では、フランスが南部のいくつかの地域を武力で併合し、仏領コーチシナを設立しました。これにより、フランスは東南アジアにおける影響力を確保しようとしました。

黒旗軍との関係

その後、フランスは北ベトナムへ進出しようとし、清国とその庇護国である阮朝との摩擦が生じました。特に、北ベトナムでは劉永福の指揮する黒旗軍がフランスの進出に対抗し、これが後の戦争の引き金となりました。

1882年のトンキン戦争

1882年、清国の軍隊とフランス軍との間でトンキンでの戦闘が激化しました。フランス側の指揮官であるアンリ・リビエールは軍を指揮して、黒旗軍や清国軍との戦闘を続けました。彼の成功はフランス本国の軍事政策に変化をもたらし、さらにフランスのベトナムにおける戦略を強化する結果となりました。

戦争の開戦

1884年、清国とフランスとの間で緊張が高まる中、フランスは清軍に対して攻撃を開始しました。これにより事実上の戦争状態が成立しました。馬江海戦ではフランス艦隊が勝利を収め、フランスの海軍力が誇示されました。

戦況の推移

海戦と陸戦

清仏戦争においては、フランス海軍の海上での優位が際立ちましたが、陸戦ではフランス軍は黒旗軍との激しい戦闘を強いられ、支援を必要としました。特に基隆の戦いでは、清軍がフランス海軍に対して反攻し、戦局が膠着することもありました。

内部問題と講和

戦争が長引くにつれ、フランス国内では戦争継続に対する不満が高まり、フェリー内閣は不安定さを増していました。最終的にフランスと清国は停戦協定を結び、フランスは北ベトナムを獲得することになりました。

戦後の影響

清仏戦争は清国にとっては大きな打撃となり、その後の改革が進まずに腐敗が続いていく結果を招きました。一方、フランスにとっては、戦争の戦果が期待されたほどの成果をもたらさず、その後の植民地拡大政策にも影響を与えることになります。

戦後、フランスはベトナムに対する支配を強化し、次第にカンボジアやその他の地域も含む仏領インドシナを形成していったのです。

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