清和院

清和院（せいわいん）

清和院は、京都市上京区一観音町に位置する真言宗智山派に属する寺院で、その山号は河崎山と称されます。本尊は地蔵菩薩であり、通称として清和地蔵尊または玉体地蔵尊とも呼ばれています。また、本堂には洛陽三十三所観音霊場の第33番札所にあたる聖観音も祀られています。

歴史

清和院の起源は、藤原良房邸（染殿第）の南に設立された仏心院に由来しています。この寺院は文徳天皇が染殿后の請いによって建立され、地蔵菩薩が安置されました。この地はその後、清和天皇の貞観18年（876年）に譲位された後、染殿の南側を御在所・後院として、仏心院は清和井院または勢賀院と称されるようになりました。このように、皇子や親王の住院としても利用されることとなりました。

一時は衰退してしまった清和院でしたが、徳治元年（1306年）に浄土宗西山義の僧侶、照空信日によって再興され、清和院という名が朝廷より賜りました。その後、万治4年（1661年）には禁裏の火事で焼失しましたが、後水尾上皇により、現在地に移転し、真言宗の寺院として再建されました。その際、享禄4年（1531年）に焼失した一条鴨川西岸にあった感応寺の聖観音（河崎観音）も一緒に祀られることとなりました。

境内

清和院の境内には、以下のような重要な建物や文化財があります：

• - 本堂兼収蔵庫
• - 爪形天満宮
• - 庫裏
• - 山門

文化財

• - 木造地蔵菩薩立像：本尊であり、その像高は165.5cmの鎌倉時代の作品です。
• - 木造聖観音立像：像高164.4cmの平安時代の作品で、通称河崎観音と呼ばれています。現在は九州国立博物館に所蔵されていますが、かつては神奈川県の財団法人によって管理されていました。

前後の札所

清和院は、洛陽三十三所観音霊場や洛陽四十八所地蔵霊場の札所でもあり、訪れる人々にとって信仰の対象となっています。

• - 洛陽三十三所観音霊場：32番の廬山寺から33番の清和院への移動が古くからの巡礼ルートです。
• - 洛陽四十八所地蔵霊場：12番の地蔵院（椿寺）から13番の清和院、14番の浄福寺へ続く道が存在します。

清和院は、その歴史や文化財が豊かで、訪れる人々に平穏な心を与えてくれる場所として知られています。

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