清末 (下関市)

清末（きよすえ）の地域概要と歴史的背景

清末は、山口県下関市の清末地区を指し、特に下関市役所が設置された区域の名称として知られています。この地域ではかつて豊浦郡清末村が存在したこともあり、その歴史についても触れていきます。

地域の位置と人口

清末地区は下関中心市街地から北東へ約13キロメートルの位置にあり、下関市の東寄りに広がっています。2009年2月時点での登録人口は6,377人、地区面積は19.31平方キロメートルです。地域の北と東は小月地区、南は神田川を挟んで王司地区、西は内日地区と接しています。ここは農地が広がる田園地帯でありながら、国道491号（旧国道2号）沿いの宅地化が進んでおり、長府や小月地区のベッドタウンとしての役割も果たしています。このように、北東の小月地区とは一体的な市街地が形成されています。

この地域には主要道路も多く、国道2号（小月バイパス）、国道491号、さらに山口県道40号豊浦清末線が通っています。しかしJR山陽本線や中国自動車道は通りますが、駅やインターチェンジは設けられていないため、1～2キロメートル離れた小月駅や小月ICを利用する必要があります。

地名の由来と歴史

清末という地名は『櫟木氏文書』に見られ、当初は清末別府と呼ばれていたと考えられています。その由来には諸説あり、湧水が絶えず流れる場所で、神功皇后が三韓征伐の際に大樹を切り出して船を作り、その倒れた枝が清水の池に流れ着いたため「清末」と名付けられたという説や、『地名淵鑑』には名田（田の所有者の名前が由来）から来ているとも記されています。

江戸時代には、長州藩の支藩である清末藩が設置され、藩庁とともに藩校の育英館が設けられました。この藩校は現在の清末小学校に引き継がれています。また、国道491号以東の大部分は江戸時代の干拓によって開発された土地です。

町村制の施行により、豊浦郡清末村が誕生し、1939年に小月町などとともに旧下関市に編入され、清末村は廃止されました。

自治体としての沿革

以下は清末と周辺地域の自治体の沿革をまとめたものです。

• - 1889年（明治22年）4月1日: 町村制が施行され、清末村と阿内村が合併して豊浦郡清末村が成立。
• - 1939年（昭和14年）5月17日: 清末村が下関市に編入され、同日清末村が廃止。

主な施設・名所

清末には、以下のような歴史的な施設や名所があります。

• - 高林寺: 清末藩の菩提寺であり、地域の重要な文化遺産です。
• - 内藤家の表門: 清末藩の家老であった内藤家の重要な建物。
• - 清末八幡宮: 地元の信仰の場として親しまれている神社です。
• - 下関市立東部中学校: 清末藩の陣屋跡に設立され、清末、小月、王司の3つの地区を校区としています。

清末地区は、その豊かな自然や歴史的な背景に加えて、都市化の進展により多様な魅力を持つ地域となっています。今後の発展にも注目が集まります。

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