清水勲

清水勲（しみず いさお）

日本の漫画・風刺画研究家。1939年4月29日に東京で生まれ、2021年3月2日に81歳で亡くなりました。千葉県習志野市に在住し、日本マンガ学会、日本笑い学会、日本ペンクラブの会員でした。妻は工芸作家の清水己明。

生涯

立教大学理学部数学科を卒業後、三省堂で編集者としてキャリアをスタートさせました。その後、日本リーダーズ・ダイジェスト社での勤務を経て、1984年からは研究・著作活動に専念しました。研究者として、川崎市市民ミュージアム専門研究員、文京女子短期大学非常勤講師、帝京平成大学教授、学習院女子大学非常勤講師などを歴任。また、日本仏学史学会会長、岡本太郎美術館収集委員、昭和館運営委員、日本漫画資料館館長など、数々の要職を歴任しました。京都国際マンガミュージアムの設立にも深く関わり、研究顧問としてその運営を支えました。

研究活動

清水勲は、特に幕末明治期に日本に滞在したフランス人風刺画家ジョルジュ・ビゴーの研究で知られています。彼の著作は、ビゴーの作品を通して当時の日本社会を考察する上で貴重な資料となっています。また、日本漫画の収集家としても有名で、そのコレクションは2万点に及びます。収集した漫画を基に、日本漫画史に関する多くの著作を執筆しました。

1992年には日本諷刺画史学会を設立し、季刊誌「諷刺画研究」を刊行するなど、日本における漫画・風刺画研究の発展に大きく貢献しました。

受賞歴

1982年：『明治の諷刺画家ビゴー』で第一回高橋邦太郎賞（後の日仏文化賞）を受賞。
1983年：『明治の諷刺画家ビゴー』を原作とした日仏共同制作テレビドラマ「ビゴーを知っていますか」が国際エミー賞を受賞（NHKアーカイブス等の文献では優秀賞と記載されるが、国際エミー賞公式サイトには掲載なし）。
1986年：第15回日本[[漫画家協会賞]]特別賞（近代漫画の調査・研究による長年の功績）。
2004年：『昭和二十年の絵手紙・私の八月十五日』が第8回文化庁メディア芸術祭奨励賞を受賞。
2015年：文化庁メディア芸術祭功労賞を受賞。

主な著作

『明治の諷刺画家・ビゴー』
『ビゴーが見た明治ニッポン』
『手塚治虫マンガの魅力』
『明治まんが遊覧船』
『漫画が語る明治』
『江戸のまんが』
『絵で書いた日本人論 ジョルジュ・ビゴーの世界』
『ビゴーが見た日本人―諷刺画に描かれた明治』
『「日本」漫画の事典 全国のマンガファンに贈る』
『漫画の歴史』
『サザエさんの正体』
『大阪漫画史 漫画文化発信都市の300年』
『図説 漫画の歴史』
『年表日本漫画史』
『北斎[[漫画]] 日本マンガの原点』
* 『風刺画で読み解く近代史』

その他、多数の編著・共著があります。

死去

2021年3月2日、前立腺癌のため81歳で逝去。法名は、自身のライフワークであったビゴー研究に因んで「釈美郷信士」と自ら名付けました。

清水勲は、日本漫画史研究において、その深い知識と情熱で多大な貢献を果たしました。彼の業績は、後世の研究者や漫画ファンに大きな影響を与え続けるでしょう。

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