清水川元吉

清水川 元吉の生涯と業績

概要

清水川元吉（しみずがわ もときち、1900年1月13日 - 1967年7月5日）は、青森県五所川原市の出身で、二十山部屋に所属し、最高位である東大関まで昇進した大相撲力士です。本名は長尾米作（ながお よねさく）で、彼の生涯は復帰劇を含む波乱万丈なものでした。

初期の生涯と入門

元吉は1900年に農家の家に生まれ、幼少期から相撲に親しむ環境に恵まれました。隣には名大関・柏戸利助の生家があり、父も地方相撲の強豪でした。1916年に二十山部屋に入門し、翌年に東京へ上京し、初土俵を踏みました。四股名「清水川」は故郷に流れる川にちなんで名付けられています。

幕下時代の活躍

清水川は、幕下時代からしっかりした取り口を確立し、1921年には小松山からの指導を受けて上手投げをマスターしました。この新しい技術と彼の土俵上での度胸は、彼を1923年に新入幕へと導きました。これからの彼は将来的なトップ力士として期待されるようになりますが、人気に溺れ、遊びに走るようになり、さらにはヤクザが絡んだ事件を起こし、結果的に1928年に破門されてしまいます。

復帰と大関昇進

破門された元吉は数年間、各地を転々としましたが、父の遺志と周囲の支援を受けて、その後相撲協会に復帰を果たしました。最初は復帰を拒否されたものの、周囲の援助で協会に再帰論を提案し、1928年には幕下で復帰が承認されました。この時、名を「元吉」に改名し、以後の活躍に期待がかかります。復帰後は多くの困難を乗り越えつつ、1932年には関脇で全勝優勝を達成し、その結果として大関昇進が果たされました。

その後の活躍

大関としての元吉は、1932年10月場所においても再び優勝を果たし、さらには1934年5月場所でも全勝での優勝を達成します。しかし、その直後の巡業で負傷し、以降の取り口は以前と異なるものとなりました。結局、彼は1937年5月場所を最後に現役を引退しましたが、その人気や実力から相撲界には大きな貢献を果たしたと称賛されました。

現役引退後と晩年

引退後、彼は年寄・追手風を襲名し、追手風部屋を築きました。その後も力士たちを育成し続けましたが、最終的には1965年に日本相撲協会を退職します。1967年に67歳でこの世を去るまで、彼は相撲界に多大な功績を残した名大関として記憶されています。

人物像とエピソード

元吉は生来の人柄の良さと侠気を持ち合わせた人物でした。ある火事の際にも自ら消火活動に尽力するなど、彼の人情味あふれるエピソードが数多くあります。また、彼は独特の仕切りスタイルを持ち、相撲界での存在感を示していました。特に、その仕切りがラジオの実況中継で称賛されることがあったことも彼の人気の一因です。

まとめ

清水川元吉の人生は決して平坦ではありませんでしたが、彼の努力と情熱は多くの人々に感動を与えました。相撲界における名力士としてだけでなく、彼の人間性もまた多くの人々に愛されたことでしょう。

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