二十山部屋

二十山部屋について

二十山部屋（はたちやまべや）は、日本相撲界において特異な役割を果たしてきた相撲部屋で、明治後期から昭和初期、さらには平成期にもその名を残しています。最終的には出羽海一門に属していました。

高砂部屋からの独立

この部屋は、1901年（明治34年）に高砂部屋から独立したもので、初代の師匠は第17代横綱、小錦八十吉です。彼の弟子である山泉がその後、2代目小錦八十吉を名乗り部屋を継承しました。二十山部屋は、多くの優れた力士を育成したことで知られています。特に、大関の千葉ヶ嵜俊治や清水川元吉、関脇の若葉山鐘などが名を馳せました。

しかし、1943年（昭和18年）には師匠である小錦が突然亡くなり、部屋は閉鎖を余儀なくされました。弟子たちは、双葉山道場（後に時津風部屋に変わる）に預けられることになりました。二十山という名跡は、時津風部屋所属の関脇・青ノ里盛に引き継がれるものの、後に立田川部屋の師匠が停年を迎えたため、再び離脱していきました。

三保ヶ関からの独立

その後、1994年（平成6年）には三保ヶ関部屋の元大関、北天佑勝彦が新たに二十山部屋を創設しました。この時、彼は弟子6人を引き連れており、当初はロシア出身の白露山佑太の幕内昇進が期待されました。しかし、2006年（平成18年）6月23日に北天佑が亡くなると、その所属力士や呼出が兄弟子の第55代横綱、北の湖敏満の北の湖部屋へ移籍し、部屋は再び閉じられてしまいました。

名人の継承

現代において、二十山の名跡を襲名しているのは春日野部屋に所属する親方で、元小結の栃乃花です。彼がこの名跡を受け継ぐことで、二十山部屋の名脈は続いています。

最終的な所在地

二十山部屋は東京都墨田区立川2-1-18を所在地としていました。アクセスは都営地下鉄新宿線の菊川駅から徒歩3分の距離です。北天佑の妻と次女、有希奈は、彼の死後もこの地に住み続けており、貴景勝光信（大関・常盤山部屋）と結婚後も新居として利用しています。また、稽古場も部屋が存在していた当時と同様の使い方をされているのです。

まとめ

二十山部屋は、その起源から多くの力士を育て、相撲界において独自の歴史を刻んできました。高砂部屋や三保ヶ関部屋から独立したこの場所は、相撲の伝統を継承し続けています。

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