清水良雄

清水良雄（しみず よしお）は、1891年（明治24年）8月4日に東京府東京市本郷区（現在の東京都文京区本郷）で生まれ、1954年（昭和29年）1月29日に広島県芦品郡戸手村（現在の福山市）で亡くなった洋画家、童画家です。

生い立ちと美術の道へ

旧制京華中学校（現在の京華高等学校）を卒業後、東京美術学校（現在の東京藝術大学）西洋画科に進学しました。同級生には、日本美術研究家の丸尾彰三郎がおり、親交を深めました。東京美術学校では、黒田清輝や藤島武二に師事し、洋画の基礎を学びました。在学中には、文部省美術展覧会（現在の日展）に入選するなど、その才能は早くから認められていました。

童画家としての活躍

大正時代の初め頃から、挿絵画家として活動を始めました。1918年（大正7年）に創刊された童話雑誌『赤い鳥』では、創刊号から挿絵を担当し、特に表紙絵は、全196冊のうち163冊を手がけました。『赤い鳥』の表紙絵は、雑誌のイメージを視覚的に広める上で非常に大きな役割を果たし、清水良雄の名前は広く知られることとなりました。その他、児童雑誌『コドモノクニ』などでも数多くの作品を発表し、子供たちの心を捉えました。

日本童画家協会の結成

1927年（昭和2年）には、初山滋、武井武雄、川上四郎、岡本帰一、深沢省三、村山知義らとともに、「日本童画家協会」を結成し、童画の発展に尽力しました。

戦時中の疎開と晩年

太平洋戦争中には、広島県芦品郡戸手村（現在の福山市）に疎開しました。終戦後も東京には戻らず、そのまま広島で生涯を終えました。墓所は多磨霊園にあります。

清水良雄の作風と影響

清水良雄の作品は、繊細で優美な筆致と、子供たちの夢や希望を表現した温かみのある色彩が特徴です。特に『赤い鳥』の表紙絵は、当時の子供たちに大きな影響を与え、その後の童画の発展にも貢献しました。彼の作品は、現在でも多くの人々に愛され、日本の童画史における重要な存在として評価されています。

所属団体

光風会 - 会員として所属していました。
日本童画家協会

外部リンク

『清水良雄』 - コトバンク
清水良雄 - 東京文化財研究所

もう一度検索