清泰院 (前田光高正室)

清泰院（せいたいいん）

清泰院は、江戸時代初期に生きた女性で、加賀藩の藩主であった前田光高の正室です。彼女は、水戸藩主・徳川頼房の四女として生まれ、幼名は亀姫、後に大姫と改めました。また、又鶴姫、糸姫、阿智姫という別名も持っていました。

生涯

清泰院は、寛永4年（1627年）に水戸藩主・徳川頼房の四女として江戸で生まれました。母は側室の野沢氏です。初めは亀姫と呼ばれていましたが、後に大姫と改名しました。寛永8年（1632年）に徳川家光の養女となり、その翌年、前田光高との縁組が成立し、結納を交わしました。寛永10年（1634年）に前田家へ輿入れし、光高の正室となりました。

寛永20年（1643年）、清泰院は長男である綱紀を出産しました。この知らせを受けた光高は非常に喜び、参勤交代の際、通常12日ほどかかる金沢から江戸までの道のりを、わずか7日で駆け抜けたと伝えられています。正保2年（1645年）に夫の光高が急死すると、清泰院は出家し、清泰院と号しました。この時、清泰院は懐妊しており、同年、次男・万菊丸を出産しましたが、万菊丸は慶安2年（1649年）に5歳で夭折しました。

慶安4年（1651年）、養父である徳川家光が亡くなった際、清泰院は実子の千代姫と同じく、2万両と茶壺を賜りました。このことから、養女の中でも特に重んじられていたと考えられています。明暦2年（1656年）9月23日、清泰院は30歳で亡くなり、小石川の伝通院に葬られました。法名は清泰院殿法誉性栄大姉とされています。

その他

清泰院は、水戸黄門として知られる徳川光圀の異母姉にあたります。テレビドラマ『水戸黄門』に登場する「明芳院」は、清泰院をモデルにしたキャラクターです。しかし、実際には光圀が藩主となる前に亡くなっているため、ドラマの設定は史実とは異なります。

脚注

「幕府祚胤伝」
「水戸様系譜」
「徳川幕府家譜」

参考文献

堀田正敦等 編『寛政重修諸家譜』 第十七（新訂）、続群書類従完成会、1965年11月30日。
『徳川諸家系譜』 第一、続群書類従完成会、1970年7月30日。
『徳川諸家系譜』 第二、続群書類従完成会、1974年8月30日。

関連項目

白山吉光 - 藤四郎吉光作の鎌倉時代の刀剣で、清泰院の嫁入り道具として前田家にもたらされました。
市谷加賀町

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