済州 (山東省)

済州（さいしゅう）

済州は、中国にかつて存在した州であり、南北朝時代から元代にかけて、現在の山東省西部に設置されていました。その行政区画としての歴史は、各王朝の興亡とともに変遷を遂げました。

魏晋南北朝時代

423年（泰常8年）、北魏によって済州が初めて設置されました。この時点での済州がどのような範囲を管轄していたかは、詳細な記録が残っていないため不明です。

隋代

隋代に入ると、済州は4つの郡を管轄するようになりました。しかし、607年（大業3年）に郡制が施行された際、済州は済北郡と改称され、その下に9つの県を管轄することになりました。この変更は、隋朝による地方統治の強化策の一環と考えられます。済北郡の管轄下にあった県については、詳細な記録が残っていません。

唐代

621年（武徳4年）、唐が徐円朗を平定すると、済北郡は再び済州と改められました。済州は、盧・平陰・長清・東阿・陽穀・范の6県を管轄しました。742年（天宝元年）には、済州は済陽郡と改称されましたが、754年（天宝13載）には廃止され、東平郡に編入されました。その後、758年（乾元元年）に東平郡は鄆州と改称され、済州の名は一時的に歴史から姿を消しました。

五代十国時代

952年（広順2年）、後周により鄆州鉅野県に再び済州が置かれました。この背景には、五代十国時代の政治的混乱の中で、地方行政区画が頻繁に変更されたことが挙げられます。

宋代・金代

北宋の時代、済州は京東西路に属し、鉅野・任城・金郷・鄆城の4県を管轄しました。金の時代には、済州は山東西路に属し、任城・金郷・嘉祥・鄆城の4県を管轄しました。このように、済州の管轄する県は時代によって異なりました。

元代

1271年（至元8年）、元によって済州は済寧路に昇格しました。1275年（至元12年）には、任城県に済州が置かれました。済寧路は中書省に属し、録事司と多くの県を管轄下に置いていました。しかし、1348年（至正8年）に済州は廃止されました。その後、1367年に朱元璋によって済寧路は済寧府と改められました。

明代以降

1385年（洪武18年）、明によって済寧府は済寧州に降格されました。済寧州は兗州府に属し、嘉祥・鉅野・鄆城の3県を管轄しました。1776年（乾隆41年）には、清によって済寧州は直隷州に昇格し、山東省に属し、金郷・嘉祥・魚台の3県を管轄しました。しかし、1912年、中華民国によって済寧直隷州は廃止され、済寧県と改められ、済州の歴史は終わりを告げました。

済州は、その成立から廃止までの間、数多くの王朝の興亡と行政区分の変遷を経験しました。その歴史は、中国の地方行政制度の変遷を理解する上で重要な事例の一つと言えるでしょう。

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