東平郡

東平郡（とうへい-ぐん）

東平郡は、中国の漢代から唐代にかけて、現在の山東省済寧市一帯に設置されていた郡です。

歴史

前漢時代

紀元前144年（景帝中6年）に、梁王劉武の子である劉彭離が済東王に封じられた際、済東国が置かれました。しかし、紀元前116年（元鼎元年）に劉彭離が廃位されると、済東国は廃止され、代わりに大河郡が設置されました。その後、紀元前52年（甘露2年）には、宣帝の子である劉宇が東平王となり、東平国が再び立てられました。この東平国は兗州に属し、無塩、任城、東平陸、富城、章、亢父、樊の7県を管轄しました。王莽の時代には、有塩郡と改称されました。

後漢時代

後漢が建国されると、東平郡という名称に戻されました。39年（建武15年）には、光武帝の子である劉蒼が東平公に封じられ、41年（建武17年）には東平王に進み、東平国が再び成立しました。この時の東平国は、無塩、東平陸、富成、章、寿張、須昌、寧陽の7県を管轄しました。

魏晋南北朝時代

曹魏が建国されると、東平国は廃止され、東平郡となりました。232年（太和6年）には、曹徽が東平王となり、東平国が再び立てられました。西晋時代の265年（泰始元年）には、司馬楙が東平王に封じられ、東平国が成立しました。この東平国は、須昌、寿張、范、無塩、富城、東平陸、剛平の7県を管轄しました。南朝宋の時代には、東平郡は無塩、平陸、須昌、寿昌、范の5県を管轄していました。北魏の時代には、東平郡は済州に属していました。

隋唐時代

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止した際、東平郡は廃止され、兗州および済州に編入されました。590年（開皇10年）には、済州、兗州、曹州の一部を併合して鄆州が立てられました。607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、鄆州は東平郡と改称されました。この時の東平郡は、鄆城、鄄城、須昌、宿城、雷沢、鉅野の6県を管轄しました。唐代に入り、621年（武徳4年）に徐円朗が平定されると、東平郡は鄆州と改称されました。その後、742年（天宝元年）に鄆州は再び東平郡と改称されましたが、758年（乾元元年）に東平郡は鄆州と改称され、東平郡の名称は歴史から姿を消しました。

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