渋川満直

渋川満直（しぶかわ みつなお）は、室町時代前期から中期にかけての武将であり、九州探題を務めた人物です。

略歴

明徳元年（1390年）、渋川満頼の弟である渋川満行の子として誕生しました。父と同様に、3代将軍・足利義満から偏諱を受け、満直と名乗ります。

正長元年（1428年）、足利義教による九州探題の勢力削減政策の一環として、従兄（満頼の子）である渋川義俊から探題職を譲り受け、九州探題に就任しました。同時に、肥前国の守護も兼任し、肥前養父郡綾部にあった肥前守護館を拠点としました。

満直が探題職に就任した頃、幕府に反抗的な姿勢を見せる少弐氏との抗争が激化していました。満直は、西国の有力大名であった大内氏の後援を受け、少弐氏に対抗します。しかし、永享3年（1431年）に大内氏の当主である大内盛見が少弐満貞軍に敗れて戦死すると、満直は少弐氏との戦いで苦戦を強いられることになります。

永享6年（1434年）1月、肥前国神埼において、少弐氏の一族である横岳頼房と戦い、満直は討ち死にを遂げました。享年45歳でした。

渋川満直は、九州探題として、また肥前国の守護として、激動の時代を生きました。少弐氏との抗争に翻弄されながらも、その職務を全うしようと努めましたが、志半ばで戦死するという悲劇的な結末を迎えました。彼の生涯は、室町時代の武将の苦難と、地方における勢力争いの激しさを物語っています。

もう一度検索