渋谷らくご

渋谷らくごとは

渋谷らくご（しぶやらくご）は、東京都渋谷区のユーロスペースで行われる落語会です。通称「シブラク」と呼ばれ、初心者向けの会を謳っているため、落語に馴染みがない方でも気軽に楽しめるスタイルが特徴です。従来の寄席や落語会と異なり、出演者や公演時間、演目の構成などに工夫が凝らされています。

概要

渋谷らくごは2014年11月に始まり、ユーロスペースの代表である堀越謙三が仕掛け人となり開設しました。渋谷を若者文化の中心地にすることを目的に、ユーロスペースの2階に新しいホール「ユーロライブ」をオープンし、「サンキュータツオ」をキュレーターに迎えました。第一回公演は企画からわずか1か月で始まり、出演者の確保や告知は苦労を伴いました。特に、初心者でも楽しめるようなプログラム編成や公演時間に重点が置かれており、観客がリラックスして参加できる環境を提供しています。

毎月第2金曜から5日間、基本的に1日2回の計10公演が行われ、そのうちの20時開演の会は以前WOWOWぷらすとで生中継されていましたが、2019年以降はその形式が終了しています。

特徴

会場が元々映画館だったため、伝統的な落語の演出である「めくり」や「緞帳」はなく、代わりに演者の背後に高座名が投影される斬新な試みが取り入れられています。観客は、スタイリッシュなアーウィンシーティング社製の座席で快適に楽しむことができます。

また、以下の特色があります:

• - 渋谷という立地を活かし、若者も気軽に足を運べる環境を整えています。
• - 新しい切り口で興行を運営し、市場に新たなトレンドをもたらしています。
• - 演劇や映画、お笑いとのコラボレーションも行い、多様な文化と落語を融合させています。

さらに、渋谷らくごの八大特徴として、

• - 二ツ目や若手真打ちが中心となり、ベテラン真打をリスペクトするスタイル。
• - 各演者の持ち時間は共通で30分というルール。
• - 開演スケジュールは都市生活者に合わせた設定。
• - 出演順は順序にこだわらず、個性豊かなメンバーが集結。
• - 3ヶ月以上の間隔で同じネタを披露することが可能。
• - 演者と観客のインタラクションを大切にしています。
• - 多才なトークゲストが頻繁に出演。
• - 魅力的な企画が盛りだくさん、特に創作らくごのネタおろし会などが人気です。

公演のスタイル

渋谷らくごでは、曜日や時間帯によって異なる公演スタイルが展開されています。以下が現在行われている6種類のスタイルです:
1. 渋谷らくご: 4人の出演者が30分ずつネタを披露する基本スタイル。
2. ひとりらくご: 1人の演者が60分の高座を務める会で、主に平日の18時に開催。
3. ふたりらくご: 2人の出演者が各々30分ずつネタを披露。
4. 創作らくご: 創作ネタをテーマにした公演。
5. しゃべっちゃいなよ: 林家彦いちが主催する創作落語ネタおろし会。
6. まくら王: 出演者がマクラを披露し、最後に1人が落語を演じる特別会。

公演は平日は18時と20時、土日祝日は14時と17時からの2時間公演として行われます。多様な企画も行われており、特別公演として独自のテーマを持つプログラムが実施されることもあります。

出演者

若手真打や二ツ目が多く出演し、落語協会や落語芸術協会、立川流の落語家を中心に個性豊かなメンバーが集まります。入船亭扇辰や春風亭昇々、さらには上方落語からも多彩な演者が参加しており、皆がそれぞれのスタイルを活かした演漫を繰り広げています。

多岐にわたる演目とユニークな公演スタイルにより、渋谷らくごは着実に支持を広げ続けています。若々しい観客と共に、新しい落語文化を発信し続けるその姿勢は、今後も多くの人々に親しまれることでしょう。

もう一度検索