渋谷区立上原中学校

渋谷区立上原中学校は、東京都渋谷区上原三丁目に位置する区立の中学校です。

学校は、都心にあって閑静な住宅地として知られる上原三丁目に校舎を構えています。周辺は教育機関や研究施設が集積する文教地区に指定されており、落ち着いた学習環境が広がっています。敷地の南側には東京大学の広大な駒場キャンパスがあり、教養学部や先端科学技術研究センターなどが隣接しています。また、日本の近代文学に関する貴重な資料を所蔵する日本近代文学館も近くに位置しています。さらに東方には東海大学代々木キャンパスもあり、まさしく学術的な雰囲気漂う立地と言えるでしょう。周囲には緑も多く、都心にありながら自然を感じられる恵まれた環境です。

交通アクセスも便利で、学校のすぐ北側を小田急小田原線と東京メトロ千代田線が通っており、代々木上原駅と東北沢駅のほぼ中間に位置しています。これらの駅から徒歩圏内にあり、生徒は通学に利用しています。学校の敷地と校舎は、西側の一部を除いて公道に面しており、地域に対して開かれた印象を与えています。

上原中学校は、戦後間もない1947年（昭和22年）5月2日に開校しました。当時の上原小学校の旧校舎跡地を再利用して誕生したことに、設立時の状況がうかがえます。その後、施設の更新が進められ、現在の校舎は2006年（平成18年）3月に完成しました。これにより、生徒たちの学習環境が大幅に向上しました。近年では、ICT教育にも力を入れており、2023年（令和5年）1月には、全教科における教育課程でのデジタル教科書活用に関する研究モデル校として指定されるなど、教育の質の向上に向けた先進的な取り組みも行っています。

本校では、教育目標として以下の３つを掲げ、生徒たちの健やかな成長と将来の活躍を目指しています。

礼儀正しく思いやりのある人間
社会に貢献しようとする人間
* 個性と創造力豊かな人間

これらの目標に基づき、日々の教育活動を通じて、生徒一人ひとりが豊かな人間性を育み、社会で必要とされる力を身につけられるよう指導を行っています。

渋谷区内の公立中学校への通学は、原則として住所によって指定される通学区域に基づいています。しかし、上原中学校が所在する渋谷区では、2004年（平成16年）度から「学校選択希望制」が導入されています。この制度により、保護者や生徒は、従来の通学区域を維持しつつも、希望する学校を選んで入学を申し込むことができるようになりました。この制度は、各学校の特色を生かした教育を推進し、地域に根ざした開かれた学校づくりを進めることで、区民から選ばれる魅力ある学校づくりを図ることを目的としています。また、通学区域内であっても、通学距離などを考慮して指定校の変更が認められる「調整区域」も設けられており、個別の家庭の事情に応じた柔軟な対応が可能となっています。

上原中学校は、学校施設を開放するなど、地域の生涯学習やスポーツ活動の拠点としても活用されています。成人向けの学習機会の提供や、地域の社会教育団体の活動に対する支援を行っているほか、小中学生を対象とした学習機会の提供も行っています。生涯学習施設として利用できる場所の情報や、様々な文化・スポーツに関する講座やイベントの案内も提供しており、地域住民が学習やスポーツに親しむ機会を積極的に提供しています。

これまで多くの人々が上原中学校で学び、様々な分野で活躍しています。著名な出身者には、洋画家の阿部豪一氏、元大相撲力士の栃富士勝健氏、歌手の伍代夏子氏、モデラーの川口克己氏、女優の杉咲花氏、元AKB48の田野優花氏、俳優の田村心氏などがいます。また、日本語学者として知られる内藤茂氏がかつて教員として教鞭を執っていた時期もあります。

渋谷区立上原中学校は、恵まれた地理環境と歴史を持ち、地域とともに歩みながら、教育目標の実現や先進的な取り組みを進めている学び舎です。学校選択希望制や地域連携などを通じて、地域に開かれた教育を展開しています。

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