渡辺正和 (棋士)

渡辺 正和（わたなべ まさかず）

渡辺正和は、1986年1月23日生まれの将棋棋士で、現在までのキャリアにおいて多くの著名な成績を収めてきました。埼玉県入間郡大井町（現ふじみ野市）に生まれ、神吉宏充七段の門下生として将棋の道を歩み始めました。彼の棋士番号は273です。

棋歴

正和は、若い頃からその才能を示し、京華中学校在学中には関東オール学生最強者戦に参加し、上位入賞を果たします。2004年には北國王将杯の準決勝で敗れたことを機に富山県への転居を決意しました。翌年、2005年5月には朝日アマ名人戦において、当時名人であった天野高志との三番勝負を制し、19歳3か月でアマチュア名人のタイトルを手に入れました。この功績により、翌年の朝日オープン将棋選手権に参加資格を得て、プロ棋士に対して3連勝を果たしますが、予選決勝で矢倉規広に敗退しています。また、アマチュア時代には平成最強戦で優勝するなど、素晴らしい成績を残しています。

彼は朝日アマ名人の獲得により奨励会初段の受験資格を得て、受験を行い見事合格します。その後、初段を3か月、二段を1年3か月で通過し、三段リーグへと進出しました。初参加の三段リーグでは、13勝2敗という好成績を収めるも、最後に3連敗を喫し次点に終わるという悔しい結果に。

その後、プロ入りを果たした渡辺は、第60回NHK杯で初めて本戦出場を果たし、続いて第52期王位戦でリーグ入りを達成します。さらに、竜王戦や順位戦でも活躍し、特に第76期順位戦では不調に陥り降級点を記録しましたが、逆境を乗り越え成績を改善していきました。2022年には公式戦での勝利数が120を超え、六段に昇段する偉業を成し遂げています。

棋風

渡辺は主に居飛車を用いる棋士であり、特に腰の据わった受け将棋に秀でています。彼の得意戦法には角換わりと横歩取りが含まれ、対局の際には冷静な判断力と立ち回りを見せるのが特徴です。

人物

彼は2015年11月17日に競技かるた選手で「永世クイーン」称号を持つ渡辺令恵と結婚し、その後、法律上の氏名を「渡辺正和」に変更しました。2017年には夫妻でテレビ出演を果たし、多くのファンに親しまれています。現在、鎌倉市に住んでいます。

エピソード

将棋家としての道のりでは、非常に印象的なエピソードが幾つかあります。2007年には今泉健司の三段リーグ編入試験に出場し、連勝中だったが敗れて4か月後に昇段を果たしました。また、彼の師匠である神吉との公式戦での対局はなかったが、大師匠である内藤國雄と公式戦で対局し、千日手の末に勝利した経験も持っています。

昇段履歴と主な成績

• - 2005年09月: 初段（奨励会入会）
• - 2007年06月: 三段（第42回奨励会三段リーグ参加）
• - 2008年10月: 四段（プロ入り）
• - 2012年10月: 五段
• - 2022年03月: 六段

主な著書

• - 『これからの角換わり腰掛け銀』（2014年、マイナビ、ISBN 978-4839950156）
• - 『決定版！横歩取り完全ガイド』（2015年、マイナビ、ISBN 978-4839954703）

渡辺正和はその誇るべき棋歴とともに、ファンの心をつかむ将棋界の重要な人物となっています。

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