渡部恵一郎

渡部恵一郎

渡部恵一郎（1932年3月2日 - 2001年12月11日）は、日本の著名な音楽学者であり、特にゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの研究において多大な貢献をしました。鳥取県出身。

人物

渡部は、母校である鳥取県立米子東高等学校の校歌を作曲した一人としても知られています。東京藝術大学音楽学部楽理科に進学し、服部幸三に師事して音楽学を深く学びました。1967年から1969年、そして1987年には、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団の招聘を受け、ドイツとイギリスでヘンデルに関する研究に専念しました。この留学経験は、彼のヘンデル研究を大きく発展させる原動力となりました。

1972年からは桐朋学園大学で助教授、後に教授として教鞭を執り、後進の育成に尽力しました。彼の講義は、音楽学の基礎をしっかりと教えるだけでなく、ヘンデルの音楽の奥深さや魅力を伝えるもので、多くの学生に感銘を与えました。

1994年以降は、様々な団体と協力してヘンデルの劇作品の企画構成や演出を手がけ、ヘンデルのオペラやオラトリオの普及に力を注ぎました。そして1998年には、日本ヘンデル協会を創設し、代表としてその活動を牽引しました。この協会は、ヘンデルの音楽の研究、演奏、普及を目的としており、渡部の情熱とリーダーシップによって、日本のヘンデル研究と演奏のレベル向上に大きく貢献しました。

また、国際音楽資料情報協会（IAML）日本支部の設立にも深く関わり、1997年から1999年まで支部長を務めました。音楽資料の整理と普及にも貢献し、日本の音楽研究基盤の強化に尽力しました。

フランス文学者の鷲見洋一は彼の従弟にあたり、渡部は東京藝術大学大学院在学中に鷲見にピアノと音楽理論を教えていました。

著書

『ヘンデル 人と作品』音楽之友社 1966
共編『ヘンデル・アリア選集 3 (オラトリオ編 2)』三澤寿喜共編著 全音楽譜出版社 1997

渡部恵一郎は、ヘンデル研究者、教育者、そして音楽文化の振興者として、日本の音楽界に多大な足跡を残しました。彼の研究成果や教育活動は、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

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