渡部眞

渡部 眞（わたなべ まこと）は、1953年に東京都荒川区に生まれた日本の撮影監督である。現在は、名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科教授、副学長、メディア造形研究科長を務め、日本映画撮影監督協会（JSC）理事、全国映画教育協議会会長も兼任する。

1977年に早稲田大学第一文学部演劇学科を卒業。卒業後、長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』で撮影助手、CMカメラマンとして経験を積んだ。

1981年、森田芳光監督作品『の・ようなもの』で撮影監督として劇場映画デビュー。以降、多数の日本映画の撮影を手がける。

1986年からはロサンゼルスに留学し、1990年にアメリカン・フィルム・インスティチュート（AFI）を修了。この経験は、その後の作品制作に影響を与え、アメリカでの撮影作品にも繋がった。

2002年、名古屋学芸大学メディア造形学部教授に就任。後進育成に力を入れ、現在は学部長、副学長、研究科長を務める。

業界活動では、2019年より日本映画撮影監督協会理事、2018年より全国映画教育協議会会長を務め、業界全体の発展に貢献。国際的には、2012年に釜山映画祭Asian Film Academyで指導にあたった。

渡部氏が撮影監督として手がけた主な作品は以下の通りである。

映画
杳子（1977年）
の・ようなもの（1981年）
グッドバイ夏のうさぎ（1983年）
グリーン・レクイエム（1988年）
誘惑者（1989年）
カーフュー・戦慄の脱獄囚 The Curfew（1989年・米）
暗殺者・アサシン The Assassin（1990年・米）
アウト・オブ・レイン Out of the Rain（1991年・米）
J MOVIE WARS『ワイルドサイド』（1993年）
N45゜（1994年） - オムニバス
ナチュラル・ウーマン（1994年）
大失恋。（1995年）
緊急呼出し エマージェンシー・コール（1995年）
スウィート・ナッシング（1996年）
SASORI IN U.S.A.（1997年・日米合作）
香港大夜総会 タッチ&マギー（1997年）
鉄塔 武蔵野線（1997年）
アートフル・ドヂャース（1998年）
らせん（1998年）
ショムニ（1998年）
千年旅人（1999年）
五条霊戦記 GOJOE（2000年）
ちんちろまい（2000年）
恋に唄えば♪（2002年）
ありがとう（2006年）
ライフ・イン・モーション（2006年）- 兼監督・脚本
HUGBOX（2008年）- 兼監督・脚本
接吻（2008年）
西の魔女が死んだ（2008年）
SOUL RED 松田優作（2009年） - ドキュメンタリー
点の世界（2014年）- 兼監督・脚本

兼監督・脚本作品も複数あることから、映像作家としての多角的な視点を持つことがうかがえる。

テレビドラマ
炎の料理人 周富徳物語（1995年、フジテレビ）

専門書の翻訳も手がけている。

翻訳
* ディレクティング・ザ・フィルム Directing the Film（1991年、キネマ旬報社刊）

渡部眞氏は、第一線の撮影監督としての実績に加え、教育者、そして業界団体のリーダーとして、日本の映像界に多大な貢献をしている存在である。

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