渭東地区

徳島市渭東地区：歴史と産業が織りなす魅力

徳島市の中心部より東に位置する渭東地区は、福島、新南福島、大和町、安宅、住吉、城東町、末広の一部を含む地域です。江戸時代から都市化が進み、歴史と文化が色濃く残るこの地区の魅力を紹介します。

歴史

渭東地区は、江戸時代には阿波水軍の本拠地が置かれ、武家屋敷も建てられました。明治時代には阿波鏡台の製造地として全国的に知られるようになり、その技術は今日の木工業へと繋がっています。

木工業

渭東地区の木工業は、徳島市を代表する産業の一つです。特に福島、安宅、大和町（旧大工島）一帯は古くから木工業が盛んでした。徳島仏壇は唐木仏壇のシェアで全国一を誇り、阿波鏡台、建具、たんすなども製造されています。

木工業のルーツ

木工業のルーツは江戸時代に遡ります。徳島藩領内で採れる豊富で良質な林産資源と、徳島が全国でも有数の城下町として発展していたことが背景にあります。河川を利用した木材の運搬も、材料調達を容易にしました。阿波水軍の拠点であった福島、安宅では、船大工の副業として木工品製造が盛んになり、明治維新後には職を失った士族の船大工が多く木工業に参入しました。

木工業の発展

大阪との交流が深く、ノックダウン生産のような形態も行われていました。大正時代には大阪から唐木仏壇の技術が伝わり、全国一の産地へと成長しました。1937年には徳島市立工芸青年学校（現在の徳島県立徳島科学技術高等学校）が開校し、木工技術者の育成にも力が入れられました。

戦後の高度経済成長期には住宅需要の高まりを背景に大きく発展しましたが、近年は家具需要の低迷や輸入家具の増加などで規模は縮小傾向にあります。しかし、現在でも多くの製造業者や卸・小売業者が市内に集まっており、ライフスタイルの変化に合わせた新しい家具生産や、阿波和紙など他伝統産業とのコラボレーション、遊山箱といった徳島の伝統木工品の復活も行われています。

福島には徳島市立木工会館が置かれ、定期的に即売・展示会も開催されています。

自然

地区内には吉野川の支流が入り乱れるように流れており、河川の多い地域として知られています。

教育機関

徳島県立徳島東工業高等学校（廃校）
徳島県立保育専門学院（廃校）

交通

道路

徳島県道29号徳島環状線：徳島都市圏の外縁部を走る県道。地区内には助任川に福島橋が架かります。
徳島県道38号沖ノ洲徳島本町線：地区の南部を走り、安宅、福島を通ります。
徳島県道189号沖ノ洲埠頭線：吉野川の河川に沿って東に走っています。
都市計画道路常三島沖洲線：地区の北部を東西に走る商店街「すみよしセンターストリート」があります。

主な施設

徳島市立木工会館
徳島市立勤労青少年ホーム（ジュネス徳島）
ケンチョピア（みなと公園）
大岡川さくら緑地（大岡川さくらキラキラロード）
福島橋
勢玉
ひょうたん島一周遊覧船

社寺・史跡

四所神社
住吉神社
蓮花寺
慈光寺
東照寺：新四国曼荼羅霊場の第78番、阿波秩父観音霊場の第25番、阿波六地蔵霊場の3番札所。徳島七福神霊場・福禄寿。

渭東地区は、歴史と文化、そして豊かな自然が調和した魅力的な地域です。ぜひ一度訪れてみてください。

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