港島中町

港島中町：ポートアイランドの中核を担う街

神戸市中央区に位置する港島中町は、人工島ポートアイランドの中央部に広がる、住宅、商業、工業が混在する多様な地域です。1丁目から8丁目まで区画され、ポートアイランドの西、北、東は港島、南は港島南町と隣接しており、南西端の一部が海に面しています。

地理と都市計画

北部を1丁目、南部を8丁目とし、その間に2丁目から7丁目が配置されています。地域内には集合住宅や商業ビルが立ち並び、用途地域は住宅地域、商業地域、準工業地域、工業地域と多岐に渡ります。計画的な都市開発によって、住居、商業、産業の機能が調和して配置されている様子が伺えます。

交通アクセスと主要施設

ポートアイランド内、神戸空港、三宮を結ぶ神戸新交通ポートアイランド線（ポートライナー）が整備され、港島中町内には6駅が設置されています。このため、交通アクセスは非常に良好です。

町内には、数多くの公共施設や商業施設が点在しています。具体的には、公園、学校（神戸市立義務教育学校港島学園、神戸市立港島幼稚園など）、郵便局、病院（ポートアイランド病院など）、警察署、そして神戸市立青少年科学館、神戸ポートアイランドホール（ワールド記念ホール）、神戸コンベンションコンプレックス（神戸国際展示場、神戸国際交流会館など）、IKEA神戸など、多様な施設が充実しています。

特に、6丁目と7丁目には「ファッションタウン」と呼ばれるエリアがあり、かつてはワールド、アシックス、シャルレといったアパレル企業や、TASAKI、大月真珠といった宝飾メーカーなど、多くのファッション関連企業の本社や工場、店舗が集積していました。現在も、これらの企業に加え、食品メーカーなどのオフィスビルや工場などが存在し、地域経済を支えています。

歴史と変遷

港島中町という地名は、ポートアイランド（Port Island）の直訳に由来します。1973年（昭和47年）、神戸港第四突堤沖の埋め立てによって誕生しました。当初は1丁目のみでしたが、1975年（昭和50年）に1～4丁目と8丁目、1976年（昭和51年）に全8丁目が成立しました。その後、ポートアイランドの埋立地の拡張に伴い、町域も拡大していきました。

1980年（昭和55年）には、神戸市立港島中学校と神戸市立港島小学校が開校。1981年（昭和56年）にはポートライナーが開業し、神戸市環境保健研究所、神戸市立中央市民病院などが移転。同年開催された神戸ポートアイランド博覧会（ポートピア'81）のメイン会場となり、大きな賑わいを見せました。

博覧会後は、会場跡地の一部が「ファッションタウン」として開発され、多くの企業が進出。1988年（昭和63年）には41社が集積する盛況を迎えました。しかし、バブル経済崩壊後、企業の統廃合や本社移転などが進み、空きビルの増加や商業施設の減少などが課題となっています。

2006年（平成18年）には、神戸ポートピアランドが閉園、跡地にはIKEA神戸が進出しました。また、神戸市立中央市民病院は2007年（平成19年）に名称変更、2011年（平成23年）に港島南町へ移転し、旧跡地はポートアイランド病院として利用されています。

人口

2010年（平成22年）の世帯数は6,471世帯、人口は14,364人でした。1985年（昭和60年）には、世帯数4,795世帯、人口14,212人でした。

まとめ

港島中町は、計画的な都市開発によって発展してきた、多様な機能を併せ持つ地域です。ポートピア'81という歴史的イベントを背景に、現在も進化を続けています。交通の便も良く、様々な施設が充実していることから、生活の利便性が高い地域であると言えるでしょう。しかし、ファッションタウンの活性化など、課題も多く残されています。今後の発展が期待されます。

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