港発電所

港発電所の概要

港発電所（みなとはつでんしょ）は、福岡県大牟田市新港町にあった九州電力の火力発電所です。1960年（昭和35年）に新港発電所（しんみなとはつでんしょ）として運開し、2004年（平成16年）まで稼働を続けました。本記事では、隣接していた港第一発電所と港第二発電所についても触れながら、その全貌を説明します。

港第一発電所と港第二発電所の設立

港第一発電所は、1931年に三井鉱山の自家用として建設され、当時は三池炭鉱での自家発電を目的としていました。1894年に始まった自家発電は、1900年代に入ると電動機器の導入が進み、発展を遂げていきます。1927年には火力発電所が3カ所、総出力1万6420キロワットに達したところから、更なる発電_capacityの増強が必要とされ、新たな発電所の計画が立てられました。この背景を受けて、1931年、出力7000キロワットの発電機を備えた「港発電所」が完成しました。

1933年には、三井鉱山は出力を増強する計画を立てますが、逓信省からの条件により、他の電力事業者との共同による火力発電所の設立が求められ、結果として「九州共同火力発電株式会社」が設立され、港発電所はその管理下に置かれました。これにより、福岡の電力需要に応じた発電が行われるようになりました。

港第二発電所の建設

続いて、1940年には「港第二発電所」の建設が決定され、5万4000キロワット出力の発電機が設置されることとなりましたが、戦局の悪化により工事が難航しました。最終的には1947年に運転を開始し、当初の認可出力は2万キロワットでしたが、1948年にはさらなる増強が行われ、5万4000キロワットにまで達しました。

新港発電所の設立と旧発電所の廃止

九州電力が発足した1951年以降、大牟田地域では新たな大型火力発電所の建設が進められました。1960年に新港発電所が営業を開始し、この新しい発電所は地元の三池炭鉱から直接燃料を供給される仕組みが整えられました。新港発電所の運転開始にあたり、既存の港第一発電所は逐次廃止されていき、最終的には1997年に全ての設備が廃止されるに至ります。

環境への配慮と技術の変遷

港発電所は、1960年の設立当初は石炭を主要な燃料としていましたが、環境規制や市場の変化により、その運転方法も大きく変わりました。1972年には重油専焼に切り替えられる一方で、1981年には再度石炭専焼へと戻されることとなります。この転換は、燃料の調達や環境への配慮からも必要とされていました。

最終的な廃止とその後

2000年代に入ると、九州電力は新たな発電所の建設を進め、高経年の港発電所は徐々に運転機会が減少していきます。2004年には港発電所1号機が正式に廃止され、その跡地には太陽光発電所が建設されました。現在では、旧港発電所の地域が再利用され、新しいエネルギーの供給源として活用されています。

結論

港発電所はその長い歴史の中で、福岡県のエネルギー供給の中心的役割を果たしてきました。火力発電の技術革新や環境への配慮に応じて、その役割を変えてきた経緯を通じ、地域におけるエネルギーの重要性が常に求められていたことがわかります。

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