港鉄バス

港鉄バスと港鉄連絡バス：香港MTRが運営する2つの路線バス

香港MTR（香港鉄路）が運営する路線バスには、主に新界地区を走る「港鉄バス」と、東鉄線と接続する「港鉄連絡バス」の2種類があります。これらは、かつて九広鉄路公司（KCRC）が運営していたバス路線を引き継いだものです。

港鉄バス（MTR Bus）

港鉄バスは、新界西北部の屯門と元朗地区を中心に運行しています。主に屯馬線（旧西鉄線）や軽鉄（ライトレール）との乗り換えを目的とした路線が多く、地域住民の交通手段として重要な役割を担っています。

歴史

1988年の軽鉄開業に伴い、KCRCはライトレールの利益を保護するため、屯門区と元朗区での区内バス運行独占権を取得しました。これにより、九龍バスが同地区で運営していた路線は撤退を余儀なくされました。この結果、ライトレールがカバーしない地域を補完する形で、九広バス（現在の港鉄バス）が運行を開始しました。2003年の西鉄線（現・屯馬線）開業に伴い、路線網が再編され、現在は屯馬線と軽鉄の両方と接続する路線網となっています。KCRCとMTRCの合併により、名称が「港鉄バス」に変更されました。

特徴

現在、港鉄バスは屯馬線と軽鉄の駅を結ぶ路線を中心に15系統が運行しています。これらの路線では、オクトパス（香港のICカード）を利用して屯馬線、軽鉄、指定された港鉄バス路線を乗り継ぐ場合、バス運賃が無料となる制度があります。ただし、現金での支払いの場合や、対象となる交通機関を利用しない場合は、無料とはなりません。運行エリアは、屯門、元朗、天水囲地区に限定されています。

過去の運行系統

59 - 大興～友愛
59B - 兆康苑～屯門埠頭
61 - 屯門市中心～元朗市
62 - 兆康苑～青山湾
63A - 良景～元朗東
521P - 富泰～屯門市中心
559 - 兆康苑～青山湾（ライトレイル東北支線の開業に伴い廃止）
653 - 天瑞～塘坊村駅
654 - 天耀～元朗東
658 - 天耀～天水圍
659 - 天恆～天水圍
670 - 元朗（福康街）～朗屏邨
A51 - 屯門碼頭～踏石角
A57 - 屯門市中心～屯門碼頭
A58 - 建生～屯門碼頭
A70 - 天瑞～元朗西
A70P - 天水圍～朗屏邨
A71 - 天瑞～元朗東
A73 - 天富～屯門碼頭
K1X - 朗屏邨～屯門碼頭
K2P - 天水圍→屯門市中心
K2X - 天瑞～屯門碼頭
K70 - 天水圍～元朗東
K71 - 天水圍～天水圍駅
K73P - 天恆→元朗東
K75 - 天水圍駅～洪水橋

港鉄連絡バス（MTR Feeder Bus）

港鉄連絡バスは、新界東部の大埔地区を中心に、東鉄線（旧九広鉄路）の駅と周辺地域を結ぶ路線バスです。こちらも、九広バス時代から路線を引き継ぎ、MTRのネットワークの一部として運行しています。

歴史

1985年9月9日に東鉄線の利用促進を目的に、東鉄線の駅への無料連絡バスとして運行を開始しました。2007年12月にKCRCとMTRCが合併した際、名称が「港鉄連絡バス」に変更されました。

特徴

港鉄連絡バスは、東鉄線との接続を目的とした路線を運行しています。平日に東鉄線を利用し、オクトパスでバス運賃を支払う場合、運賃は無料となります。ただし、現金での支払いや、東鉄線を利用しない場合は、運賃が発生します。日曜日と祝日は、いずれの場合も無料とはなりません。すべての路線は、九龍バスの名義で運行されていますが、車両やバス停、スタッフなどはMTRCが所有・運営しています。

過去の運行系統

K11 - 火炭駅～駿景園
K15 - 旺角東駅～中港城
K16 - 尖東駅～南昌駅

車両

港鉄バス、港鉄連絡バスともに、ヨーロッパ製の2階建てバスが中心ですが、過去には日本製のバスも導入されていました。現在では、全車が冷房付きのバスで、乗降口がノンステップである割合は100%となっています。

九広鉄路公司からの賃借車

MTRは、九広鉄路公司から164台のバスを賃借しており、すべて冷房車です。このうち、153台がノンステップ2階建てバスで、11台がノンステップの平屋バスです。

外部リンク

香港鉄路有限公司公式サイト (中/英)
* MTR > Light Rail & Bus Services > Bus Routes and Fare (参照: 2010年8月25日)

これらのバスは、香港の交通網において重要な役割を果たしており、MTRの利用者にとって欠かせない存在です。

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