游錫堃とは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

游錫堃（ゆうしゃくこん）

游錫堃（ヨウ・シークン）は、1948年 4月25日生まれ、台湾の政治家です。民主進歩党（民進党）の重鎮として知られ、かつては立法院長を務めました。民進党内では「四天王」の一人とされており、台湾の政治に大きな影響を与えてきました。

生い立ちと初期の経歴

農家に生まれた游錫堃は、13歳の時に父親を結核で亡くし、経済的な理由から高校を中退せざるを得ませんでした。その後、農業に従事する傍ら、夜間学校で学び、1985年に東海大学社会科学部政治学科を卒業しました。この頃から政治に関心を持ち、民進党に入党しています。

政界での活躍

游錫堃は、1981年から1989年まで台湾省議会議員を2期務めました。その後、1989年から1997年まで宜蘭県長を務め、地方政治で実績を上げました。1998年から1999年には台北大衆捷運股份有限公司董事長（会長）に就任し、台北市の交通インフラ整備に貢献しました。また、1998年から2001年まで台北芸術大学で教鞭を執り、後進の育成にも尽力しました。

民進党での要職

1999年から2000年には民進党秘書長を務め、党運営の中枢を担いました。2000年には行政院副院長に就任し、政府の中枢で政策立案に携わりました。2000年から2002年まで総統府秘書長として陳水扁総統を補佐し、2002年から2005年には行政院長として政権運営を担いました。

2006年から2007年には民進党主席を務め、党勢の立て直しに尽力しました。しかし、2007年には首長特別費（交際費）を不正に使用した疑いで検察当局に起訴されるなど、逆風に晒される時期もありました。

立法院長としての再起

2020年の立法委員選挙で比例代表として当選し、政界に復帰しました。同年2月1日には、立法院長選挙で73票を獲得し、立法院長に就任しました。これは、游錫堃にとって政治家としての大きな再起となりました。

2024年の立法委員選挙でも再選を果たしましたが、同年の立法院長選挙で落選したため、同日に立法委員を辞任しました。しかし、その政治活動は、台湾の民主化を語る上で欠かせないものとなっています。

政治的立場

游錫堃は、民進党の中でも陳水扁総統の直系に属しますが、自身の政治基盤は比較的弱いとされています。そのため、党内では謝長廷や蘇貞昌に後れを取ることがありましたが、数々の要職を歴任し、党内での影響力を保持しています。彼の政治的な立場は、台湾の民主主義と主権を守ることに強く根ざしています。

まとめ

游錫堃は、農家出身から政界入りし、行政院長や立法院長などの要職を歴任した台湾の政治家です。民主進歩党の重鎮として、「四天王」の一人として知られ、台湾の民主化に大きく貢献しました。その波乱に満ちた政治人生は、台湾の現代政治史を語る上で欠かせないものとなっています。

游錫堃

游錫堃（ゆう しゃくこん）