蘇貞昌

蘇貞昌（そ ていしょう）の政治キャリアと人物像

蘇貞昌（そ ていしょう、1947年7月28日 - ）は、中華民国の政治家、弁護士です。行政院長（首相）を二度務め、民主進歩党（民進党）の主席も歴任しました。党内では「福利国連線」に所属し、陳水扁総統時代には、呂秀蓮、謝長廷、游錫堃と共に「民進党四大天王」の一人に数えられました。台湾政界において重要な役割を果たしてきた人物です。

経歴

台湾省立屏東中学を卒業後、台湾大学法学部へ進学。1980年には、弁護士として陳水扁らと共に美麗島事件を担当しました。この事件への関与は、彼の政治家としてのキャリアの出発点の一つと言えるでしょう。

1989年、屏東県長選挙に立候補し、国民党候補を破り当選。しかし、1993年の再選を目指した選挙では、国民党の伍沢元に敗れました。その後、民進党秘書長に就任し、党の運営に携わりました。

1997年、台北県長選挙に出馬。前職の尤清が汚職問題で逮捕されるという事件が追い風となり、国民党候補の謝深山を破り当選しました。この選挙では、末期がんを患っていた盧修一が蘇への投票を懇願したことが有権者に感動を与え、当選に大きく貢献したと言われています。この出来事から、蘇貞昌は新潮流系との関係を深めていきました。

2001年には、泛藍陣営の統一候補である王建煊に対し、4年間の安定した県政をアピールし再選を果たしました。陳水扁が2004年に総統に就任した後、蘇貞昌は総統府秘書長に就任。福利国連線が事実上分裂し、多くのメンバーが謝長廷系に流れる中で、蘇貞昌は新潮流系との結びつきを強め、同派閥が最大の支持基盤となっていきました。

2005年1月30日、民進党主席選挙において、単独候補ながらも99.71%という圧倒的な信任を得て第11代党主席に選出されました。しかし、同年12月3日、民進党が地方統一選挙で大敗した責任を取り、党主席を引責辞任しました。

党主席辞任後の2006年1月19日、謝長廷の後任として行政院長に任命されました。2008年の総統選挙に向けた党内予備選挙では、謝長廷と激しい争いを繰り広げましたが、党員投票で敗れました。その後、謝長廷から副総統候補に指名され、総統選挙を戦いましたが、国民党の馬英九・蕭万長に敗北しました。

2010年11月の台北市長選挙では、現職の郝龍斌に敗れました。2012年5月には、民進党主席に再選され、2014年5月に退任しました。2018年11月の新北市長選挙にも立候補しましたが、侯友宜に敗れています。

2019年1月11日、蔡英文総統によって行政院長に任命され、2020年5月20日には蔡英文総統の二期目でも行政院長に再任されました。しかし、2022年11月の統一地方選挙で民進党が大敗したことを受け、2023年1月19日に辞任しました。

人物像

蘇貞昌は、「電火球（テンホエキュウ、電球のこと）」というニックネームで親しまれています。これは、特徴的な禿げ頭に由来しています。また、演説ではダミ声で「私は蘇貞昌です（台湾語でゴア・シー・ソーチンチョン）」と挨拶し、観衆が「チョン・チョン・チョン」と掛け声をかけるスタイルで盛り上げることが特徴です。

家族としては、同じく民進党党員で立法委員の蘇巧慧が長女です。蘇貞昌は、台湾政界において、その独特なスタイルと政治手腕で、長年にわたり注目を集めてきた人物と言えるでしょう。

選挙記録

（詳細な選挙記録は省略）

外部リンク

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