湯抱温泉

湯抱温泉（ゆがかいおんせん）は、島根県邑智郡美郷町に位置する、ひっそりとした趣のある温泉地です。かつての石見国に属し、大山隠岐国立公園内に位置しています。三次街道（石見銀山街道）沿いにあり、江の川の支流である尻無川と湯抱川を望む、自然豊かな環境が魅力です。

泉質と効能

泉質は含塩化土類食塩泉で、源泉温度は20℃から36℃です。神経痛やリウマチに効果があるとされています。

温泉街の魅力

湯抱温泉は、手つかずの自然が残る場所で、夏には蛍が飛び交う美しい風景が見られます。温泉街には中国自然歩道が通っており、石見銀山や三瓶山方面へのハイキングも楽しめます。2022年4月現在、宿泊施設は中村旅館の一軒のみですが、湯治や保養を目的とした滞在には最適です。

地元の食材を活かした料理も湯抱温泉の魅力の一つです。山菜、鮎、ヤマメ、松茸、鴨、猪など、四季折々の山の幸を堪能できます。

歴史

湯抱温泉は、戦国時代から温泉が湧き出ていたと伝えられていますが、詳しい歴史は分かっていません。しかし、歌人、斎藤茂吉がこの地を訪れ、研究の結果、万葉集の歌人、柿本人麻呂の終焉の地であると発表したことで、その名が広く知られるようになりました。

斎藤茂吉は「人麻呂がつひのいのちを終りたる鴨山をしもここに定む」という歌を詠み、その歌碑が建てられています。また、斎藤茂吉の功績を記念した斎藤茂吉鴨山記念館も建てられています。

アクセス

鉄道を利用する場合、JR山陰本線の大田市駅で下車し、石見交通の粕淵線バスに乗り換えて約40分、「湯抱温泉口」で下車します。

湯抱温泉は、豊かな自然の中で、ゆっくりと温泉を楽しみ、歴史に触れることができる、魅力的な温泉地です。都会の喧騒を忘れ、心身ともにリフレッシュしたい方におすすめです。

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